2021年8月26日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその2

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【プリーで療養中】

あれから下痢が悪化し、熱や痛みは無いが、水の様な下痢が始まった。長距離列車に乗る時にツイてない。食中毒とかじゃなく食事のマサラ成分が強過ぎて、僕の内臓が拒否反応したのだと思う。現在、僕は下痢界から無事帰還し、ほぼ一日中寝転んで体力を回復させている途中で、何もせずに寝っぱなしだったので「俺は何日眠ってた⁈」状態になり記憶がぼんやりしている。そんなぼんやりした記憶を下に書いてみよう。

コルカタにて、時間一杯まで粘って宿をチェックアウトして近所のWiFiが使える飯屋に行き、ダラダラ注文しながら時間を潰していた。プリー行きの列車22:35発まで時間があるし、どこかに行くのも荷物が重いから疲れる。もう駅に行って隅っこに座って待つかなと思い始めた頃、飯屋の店内に同じホテルに泊まっている日本人とオーストラリア人のコンビ(空港で一緒になり、成り行きでルームシェアしている男二人。面白い)を発見し、喋っているうちにお腹の調子がまた怪しくなり、駅で過ごすのも寂しいので宿に戻ることにした。

ドミトリー(120ルピー)を借りて荷物を置き、屋上で少しだけ酒を飲みながら皆と喋って時間を潰しつつ時々トイレに走る。

21時になったので皆に別れを告げて宿を後にする。体調の悪化で行きたかったカーリー寺院をキャンセルしたし、ずっとダラダラしていたので街に愛着は無いが、宿では面白い人達と出会えたので思い出に残る場所になったようだ。

タクシーと値段交渉をし続ける。サダルストリートで路駐しているタクシードライバーは、ハウラー駅まで240とか150ルピーとか冗談は顔だけにして下さいよプライスでふっかけてくる。
メインストリートのチョウロンギ通りに出てようやく適正価格だと思われる80ルピーでタクシーを拾い、問題無く駅に到着し、もっと金をくれと言う運転手に笑顔で80ルピーのみを押し付け駅舎へ入る。


時刻表にプリー行きの列車は8番ホームと書いてあったので待つ。ホームに自動車で乗り付けたり、列車から降りてきた家族連れがそのまま自動車に乗って去って行ったりしている。

30分前になっても列車が来ないので駅員に尋ねたら22番乗り場だと言う。そこへは歩道橋を渡り、別の駅舎へ行かないといけないらしい。ちょっと焦った。結構遠かったから。ホームが離れている上に、僕の車両(S3)は先頭車両に近い位置にあったのでかなり歩かされた。インドの長距離列車は車両数が多く、僕の車両まで20両くらいあった。

車両の入口の横に張り付けてある紙に僕の名前が書いてあるのを確認し乗車。車内もボロい。写真左側が二段、右側が三段のベッド(と言うより棚)が並ぶ。天井に沢山ついている扇風機がねっとりとした車内の空気を掻き回す。

夜中になると少し肌寒くなったので市場で買った布を羽織る。
インド先輩達は中国の労働者と違いマナーが良い。ヒマワリの種のカスをぶちまいたり、大声で話すわけでもない。数人が通路や連結部の床に寝ているだけだ。消灯時間になると皆大人しく寝始める。居心地は悪くない。

夜が明けてくるとチャイ屋が「チャーイー!チャーイー!」と脳髄に刺さる声色で車両を練り歩き始める

ほぼ定刻通りにプリー駅に着。列車で隣のベッドだった日本人青年とサイクルリキシャ(自転車で引っ張る人力車)をシェアしてサンタナロッジへ。
サンタナロッジは部屋タイプに関わらず、1ベッド150ルピー(二食+チャイ二杯付き)というお得な宿で、日本人向けの料理が食べられる。プリーは特に何も無い、海には砂浜が広がる漁師町なので体調を回復させるにはもってこいだ。

宿の二階から。

宿の近く。

アンチ・マサラ食をとり続けて体調回復。ちょっと散歩してみる。写真は海水浴場側の砂浜。

こちらは漁師町側の砂浜。至る所に人糞が設置してあるので気が抜けない。無事生還するには人糞探知機が必須。
海から漁師町を通って大通り(小さい)へ抜けてみたが良い感じだ。子供は「チョコレート!チョコレート!」か「1ルピー!1ルピー!」と言ってずっとついてくるし、いきなり「俺を撮れ!」と撮影を要求してくるおっさんやら、ゴミ溜めを漁る野良牛やらいろいろ。

民家の玄関にはチョークで書かれた魔除けの落書きぽいものがある。

狛犬みたいなやつ。

狛犬みたいなやつ2。

男前。

下痢が止まって食欲も大幅回復。明日は自転車を借りて少し遠くまで行ってみようかしら。それと次の目的地も決めないとな。


【プリーで療養中2】

サンタナロッジの飯がうまい。毎日、唐揚げのトマト煮とか野菜かき揚げ定食とかを食べている。昨日の夜は久しぶりにカレーを食べた。もう完全に復調したと言っていい。ただ大衆食堂のカレーに耐性ができたかどうかは分からない。

昨日今日と切符を買いに行った。
切符を買うためには行き先を決めなければならないが、これが結構悩んだ。ハイダラバードかバンガロールに行こうかと思っていたが、調べてみると街が大きいだけで観光向きではなさそう。インド南部はほぼノーマークだったので一から情報収集する。で、結果として次の行き先をマハーバリプラムに決めた。チェンナイより少し南に行った小さな町。

行き先が決まったので駅まで切符を買いに行く。
宿の近くで自転車を一時間あたり5ルピーで借りて、僕がまず向かったのは駅ではなくジャガンナート寺院。

写真では小さくて分かり辛いが、ジャガンナートはヒンズー教の神々の中では異色のデザインだ。もともとこの辺りの土着神だったものがヒンズー教に取り込まれ、何番目か忘れたがヴィシュヌの化身として定着したらしい。ジャガンナートの刺繍を売っているおじさん達は暇そう。

----- 中略 -----

異教徒は寺院内に入れないので外を一周してみる。

ジャガンナート発見。

南側の門。門から内部をジロジロ覗いてみたが、どうやらここは凄そうだ。大きな塔を中心にしたこの寺院は規模が大きく、雰囲気も外から見ただけで聖域特有の迫力で満ちている。建物内部はきっと内臓にプルプルくる熱気が充満しているのだろうな、と門前の売店でインド先輩達とインドのコーラを飲みながら一人ニヤニヤ考えていた。

ええ感じ。

寺院前の通りの喧騒を抜けてプリー駅へ。田舎の駅は小さい。

駅舎に隣接する切符売り場。小さい駅には外国人窓口が無い様なのでインド先輩達の割り込みを阻止しながら自分の番を待つ。
壁に貼り付けてある時刻表を見るが良く分からず、これといって下調べもして来なかったので切符売りのおじさんに尋ねる。僕の行きたいマハーバリプラムまでは、まずプリー駅からブバネーシュワル駅まで行ってチェンナイ行きに乗り換え、マハーバリプラムには鉄道が通っていないのでチェンナイからはバス移動になるらしい。そして22日の便は満席だったので23日に。さらに寝台の上段が取れず中段に。で、宿に帰ってプリーからブバネーシュワル間の切符を売ってもらってない事に気が付いたので、今日も駅へ行って切符を買った。

ジャガンナートのイラストをあしらったキラキラおしゃれボールペン(青インク)4ルピー。ノック式で芯を引っ込めるのに慣れが必要。駅で切符を買うには、用紙をもらって行き先や個人情報を記入しないといけないが、筆記用具を忘れたので駅前の露店で買った。駅では貸してくれない。


【プリーで療養中3】

無事ブバネーシュワル行きの切符を買えたので、町外れの小さな寺院に寄ってみる。

ガネーシャぽいがオレンジ色の何かを塗りたくって原型をとどめていない。そこが良い。

----- 中略 -----

良いニヤリ

インドの寺院には楽しくて神秘的なものが沢山ある。

白牛(力作)

黒牛(力作)

レンタサイクル屋のおっちゃんの本業は服の仕立屋。

カッコ良い俺を撮れ、と言って小綺麗な服に着替えてキメ顔。

----- 中略 -----

明日には乗り換えあり24時間程度の鉄道移動が控えている。インドの鉄道は数時間遅れ当たり前らしいから何やら楽しいことが起こりそうな予感。

つづく
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小銭メモ
インドで少額の買い物をする際、前もって十分な小銭を用意しておく必要がある。
ATMでインドルピーを引き出すと500か1000ルピー札の束が出て来るが、少額の買い物でこれらの高額紙幣を差し出すと受け取りを拒否される。つまり売ってくれない。
小額紙幣で支払っても店側にお釣りが無い場合、丁度で支払えなければ売ってくれないことも。
切れ目や欠損のある紙幣は無価値とみなされ受け取りを拒否される。
インドルピーは質の悪い紙を使っているし扱いも雑なのでやぶれやすい。
この様な「使えない札」はお釣りに紛れ込ませて客に押し付けたり、支払いに混ぜて店に押し付けたりとババ抜きの様に人から人へ渡っていく。
破れ札を掴まされても「これヤブレてるよ」とその場で言えば交換してくれるので、お釣りを受け取ったら即チェックするべき。

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