2022年1月27日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(グルジアその1

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【グルジアの首都トビリシにて】

トラブゾンからグルジアの首都トビリシへ直行する夜行バスに乗って国境に着いたのが午前0時頃。ビザ不要で特に何もなくあっさりとイミグレを通過。夜で周囲の景色が見えないしグルジアに入った感は皆無。

朝になってトビリシの郊外にあるバスターミナルに着いた。
早速グルジアラリを引き出そうとATMを探すが見つからない。そこら辺にいるグルジア人に尋ねるもグルジア語とロシア語以外は通じないらしく、「エーティーエム」と言っても理解できる人がいない。
ATMは無いが両替屋があったので少額のトルコリラをラリに替えてトビリシ駅までの路線バスの運賃を確保。しかしなんだ、行き先を運ちゃんに伝えるにも英語の地名では通じず、グルジア語の地名じゃないと「えっ、それどこ?」になるのでグーグルマップを見せてもらちがあかない場合が多い。実はイスタンブールとギョレメおよびトラブゾンで宿が同じだった日本人大学生男子と一緒に来たのだが、彼が持っているガイドブック無しではより面倒が増えたに違いない。

トビリシ駅付近でバスを降りて軽く迷子になりながら通称ネリ・ダリの家に着。グルジアにはツーリスト向けの安ホテルは無いようで、旅行者は民泊が基本になり、ごく普通の民家の部屋を間借りする事になる。
ネリ・ダリの家は設備的には問題無い。ガス式の給湯器でいつでもホットシャワーが浴びれるしキッチンも使える。快速のWiFiがあるのも良い。が、高齢のオーナー一家が少々面倒臭い。キッチンで自炊していると時々ネリ婆さんが寄って来て、石鹸は使うなだとか、その鍋は使うなだとか些細な事で一々クレームをつけて来るし、食器用洗剤を隠してみたり突然使用中のキッチンに割り込んで来たり、全て大した事ではないがチマチマとイライラさせてくれる。ダリ爺さんも癖があり、湯で5倍に稀釈した様なマズイ紅茶をしきりに勧めてくるし、ある程度親しくなれば「ちょっと100ラリ貸してくれないか」と金を無心しに来るらしい。そして貸した金はまず返って来ないという話し(10ラリまでくらいの少額なら返してくれるらしい)。グルジアに長期滞在している人が言うには、グルジア人は一見人当たりの良い人達だが微妙にムカつく程度に意地汚いというかケチというか怠け者というか雑というか、とにかく国がかろうじて保っているのも奇跡に近い様な国民性とのこと。僕はグルジアに対して「穏やかで控え目な人々の住む国」という真逆の先入観を持っていたが、実際は上記に近い感想を持った。比較的金を持った人々が行き交う小綺麗な中心街でそう感じる事は少ないが、一歩旧市街の古びた場所に入るとグルジア丸出しになる。

ネリ・ダリ家のあるトビリシ駅から南側はボロい住宅が並ぶ貧民街。

全体的に斜め成分多め。ネリ・ダリ家内部も床や天井や壁などあらゆる物がゆがんでおり、一瞬時空が捻じれたみたいに眩暈する時がある。

ネリ・ダリ家の猫。唯一の癒し系だが猫アレルギーの僕の心境は微妙だ。可愛いんだが猫の毛が害を及ぼしてくるから。

街の南側に見所が集中しているみたいだったので行ってみた。写真は高台にある教会。結婚式中。

オールドトビリシ側からの中心街。

別の教会。作りはどこも同じ。

観光客向け?に整備された中心街は綺麗でオシャレ。

動物の角で作ったジョッキで酒を飲む男前。

細長い爺さん。

でもチョット中心から外れるとこうなる。


【グルジアの首都トビリシにて2】

大聖堂に行ったらここでも結婚式。

詳しい事は分からんが、これくらいでトビリシ観光は終了だと思う。半日で十分回れる内容だった。好奇心を刺激してくる物は特に無し。

殺風景なトビリシ駅。

男子便所。もじもじ

中国製と思われる意味不明なTシャツ。

「EUにたかって楽したい」みたいな?

おみくじを括りつける木みたいになってる。布切れとか食品の包装ビニールの切れっ端とかゴミ的な物を括りつけているが何かのまじないか。

トビリシには二泊したのみでアルメニアに向かう。首都より地方の方が面白いんじゃないかという期待もあるし再度グルジアに戻るので、ここはさっさと立ち去ることにした。

つづく
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その他の写真









グルジアメモ
以前はロシア語の「グルジア」と表記されることが多かったが、反ロシア感情から各国に対して英語読みの「ジョージア」と表記するよう要請した。(日本は2015年からジョージアに変更)
2008年に南オセチア紛争があったりとロシアとは敵対関係であり、国内においても民族間の対立から情勢の不安定な地域が多く、旅行当時は比較的安定した状態にあったものの政府の統治が及ばぬ地域が多々あった。
内戦の末、現在ではアブハジアと南オセチアは事実上ジョージアから独立したとされているが犯罪多発地帯となっており、日本の外務省から渡航禁止勧告が出ている。

南オセチア紛争(2008年):Wikipediaより

グルジア出身の有名人で誰でも知っているのがヨシフ・スターリンで、個人的に一押ししたいのはエレーネ・ゲデヴァニシヴィリ。調子が良い時の爆発力が最大の魅力のフィギュアスケート選手。よく失敗するが、むしろそこが良い。


2022年1月20日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(トルコその4

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【カッパドキアを巡る5】

非常に良い。一日数回の礼拝時間になるとアザーンの放送がギョレメの街に響き渡るが、それを除けば静かで清潔で景色が極上の街。

夕暮れ時。
奇岩を掘った住居と西洋風の建物が混ざった街並みは不思議と調和し、カッパドキア観光の拠点になるギョレメには観光客が溢れているにも関わらず煩わしさとは程遠い。イスタンブールもそうだったが、日没が午後8時過ぎとかなり遅いせいか時間の流れが緩やかで、一日中晴れた日などは今何時なのか時計を見なければ分からないくらい昼下がりのあの感じが持続する。

宿から丘へ五分も歩けば直ちに雰囲気が変わる。

奇岩を利用したホテルが密集している。

昨日は午前5時半に宿を出て気球が飛び立つのを見物していた。

良い感じに膨らんでいる気球多数。

タケノコみたいにとんがった岩を避ける様に限られた平坦地に密集して気球を膨らませているので、お隣さんと仲良くくっ付いてしまっている。

気球と馬糞。

この日飛んだ気球は60以上。僕は乗っていないが飛び立つところを地上から眺めるだけでもテンション上がる。気球の浮遊感というか、巨大な物体が空でゆっくりと滑らかに漂う違和感はとても面白い。行き先は風向き次第という仕様も優雅だ。一時間くらい眺めている間に東へ行った気球が戻って来てそのまま西に流されていったり。

むかし見た容器の底にこびり付いた油汚れが次々に浮き上がっていく洗剤のCMみたいに次々に気球が浮上。


【カッパドキアを巡る6】

午後は気になっていたコレ(名前を忘れた)に行った。ギョレメからも確認できるコレは古代の要塞のごとく頂上部の奇岩の城?を中心に斜面一面に建物が密集している。
ギョレメ側から見えるこれら建物群の正体はホテルだった。道も整備されている。

対して反対側は岩の住居跡が並ぶ。どちらが正面か分からんが表情の違う裏表があるのは面白い。

こちら側の入り口付近には土産屋で良く見かける青い目玉の魔除けグッズをたくさん取り付けた木がいくつかある。呪文を唱えると何か起こりそう。

頂上の岩城。これに登るのは有料みたいだった。僕は時間が無かったので登っていないが、360度見渡せるであろう景色は素敵に違いない。

道を挟んで反対側にあるこれ。「たくさんのオッパイ」と名付けた。このタイプの岩は他所でも見られるが、僕が見た中ではここのが一番滑らかだったように思う。

徒歩で宿へ戻る途中に撮った。「今日のギョレメも広大だわ」の図。

イスタンブールとギョレメで同じ宿だった日本人美女と早めの夕食を。ここ数日は自炊していたので久々の外食。トルコ料理の名前をほとんど知らないので、注文はメニューに書いてある文字の響きだけで決定する。今回はこれが出てきた。トルコ料理は手のこんだ物が多い。うまうま。また「My Mother's」という店名もアレな感じで良い。

カッパドキアのマスコット「ぎょれめちゃん」です。こんにちは!!
ギョレメという街は訪れるまではこんなイメージだったが、実際は柔らかい天然色で包まれた穏やかな土地だった。妙な先入観があったのはiPhoneで「ぎょれめ」と打ち込むと変換候補のトップに「魚れ目」と出るのが原因に違いない。だが未だにカッパドキアのどこかの奇岩の中にこんな生き物が住み着いている可能性は否定できない。


【トラブゾンに何となく四泊】

黒海に面した街トラブゾンに滞在すること5日目。飽きた。よって今夜のバスでグルジアへ行く。
トラブゾンにはこれといって見所がない。何をするでもなく、ただ飯を食い、昼寝をする。そんな毎日。

泊まっていたHotel Benliの正面にあるモスクに集合して礼拝中。中に入りきれないようで、道端にダンボールや敷物を敷いて座っている。
モスクでは一日に5回くらいアザーンが爆音で放送される。中でも午前3時45分頃のアザーンが極悪で、深夜にも関わらず手抜き無しのボリュームMAX放送が三階の僕の部屋に直撃して良い感じだ。目覚まし代わりにするには早過ぎる時間だがモスクに礼拝に来ている信者はいるのか。

黒海の色は不思議。黒っぽかったり澄んだエメラルドグリーンだったり濁った薄茶色だったりする海水が、はっきりとした境界を持って分離し、刻一刻と模様が変化していく。塩分濃度が濃い深層と薄い表層で別れている黒海の海水がアレをナニして引き起こす現象らしい。

スイカ屋。1kg=1リラ。でかくて中身が詰まったスイカは美味しそう。

この街でハマった料理。鶏の丸焼き一羽とご飯サラダセットで10リラの店を発見。食いきれない程のボリューム。そしてうまい。

特に面白い物があるわけでもないが、賑わうバザールを歩くのは良い暇つぶしになる。

チャイ屋でたむろする老人多数。

竿竹売りみたいに自動車で放送しながら販売中の八百屋。

上半身も足。

レザージャケットにパンツスタイルがトラブゾンの流行りか。

この街で唯一した事といえば服を仕立てて貰ったこと。ほぼ英語が通じないトルコで特別な事をしようとするのはかなり労力がいる。
まずは街外れにある仕立屋をはしごしてみた。バラナシで仕立てたクルター持参で行ったけれど、「これと同じデザインで丈を長く仕立ててくれ」と伝えるのに散々苦労した。何せ相手はトルコ語のみ、こちらは片言の英語なので「アイロンをかけたいのか?」「どこを直したいんだ?」「サイズを変更したいのか?」「おぉ!もう一着同じのを作りたいのか!」となるのにかなり時間を要する。結果としてはどこもスーツの生地しか持ってなくて、僕が発注しようとしたクルターはできないという事だった。
四軒まわって断られたが半ば意地になっていた僕は、タイミング良く見つけた生地屋で希望の布を買い込み、それを持って一番融通がききそうな仕立屋に再度押し掛け、この生地でなんとか仕立ててくれないかと言い寄った。初めは渋っていたものの、最終的には「よっしゃ、任せとけ!」と発注に成功した。
三日後に出来上がったトルコ製のクルターは縫製がスーツ仕様になっており、インド製とは別格のパシッとした作りになっていて大変気に入っている。生地代と仕立て代込みで88リラとかなり高くついたが納得の一品。機会があれば一度お目にかけたい。

つづく
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その他の写真とか











アザーンメモ
アザーンはイスラム教の礼拝への呼びかけで、夜明け前、正午、午後、日没後、就寝前にモスクから一日5回(シーア派は3回?)放送される。
礼拝開始時刻は太陽の位置から決定されるため、アザーンの放送時刻も毎日少しづつ変化する。
スピーカーから爆音で放送されるアザーンは録音ではなく全て肉声で楽器の演奏は伴わない。
モスクか詠み手によってかは不明だが、節回しや間の取り方に個性があり、いずれも美声。

イスタンブール

ギョレメ