2020年6月3日水曜日

探検のすゝめ〈戦闘編〉T1FGで行くDED4/10他

今回の記事では安価なT1フリゲートで簡単に攻略できるDED4/10を中心に、ハイセク戦闘サイトについて書きます。

EVE OnlineでExploration*に分類されるものとして、データやレリック等の非戦闘系サイトとDEDやエスカレーション(Expedition)を含む対NPC戦闘サイトがあります。

これまで当ブログでは非戦闘系探検サイトのみを扱ってきました。
スキルトレーニングが初期段階のソロプレイヤーができる金策手段として、簡単に時給100M以上を稼げるものは他にありません。
また、船を飛ばす全てのコンテンツに有効なノウハウが身に着く、という点でも優秀な金策手段と言えます。

対して戦闘系探検サイトはというと、簡単に攻略できるハイセク・サイトでもそれなりのスキルトレーニングが必要だし、大した収入になりません。
ローやヌルのDEDサイトになると一発100Mはハズレ扱いになるくらいの儲けがありますが、サイトの攻略難度が高い上に殺しに来るプレイヤーに対応できる練度と船が必要になるので、当ブログで扱うにはレベル高過ぎになります。

Explorationを日本語訳すると「探査」になりますが、探査風の操作はブロービングぐらいで、主な内容は遺跡荒らしや窃盗であり、「探検」とした方がまだ意味が近いかな?という感じです。戦闘サイトでは殺戮が主になるので「探検?」ってなりますが、便宜上「探検」に分類しています。


【ハイセク戦闘サイトをすすめる理由】

面白いからです。

時給で考えると、ヌル探検と比べて雀の涙程度しかないので「やってられん」わけですが、isk富豪になるという目標がないなら自分にとって必要な額が確保できていれば問題ないと思います。Plexやスキルインジェクターに手を出すとiskがいくらあっても足らなくなりますけど、金策ばかり続けていると飽きてしまいます。

このゲームの面白さは、分野が違えば別ゲーと言えるくらい独特のノウハウや面白さが各アクティビティーにあるところです。
いろいろな分野に手を出して中身を知ることで、気分次第で「今日はこれで楽しもう」ができるし、新たな金策手段の発見につながったりします。

ハイセク戦闘サイトは手が出しやすく、弾を満載して撃ちまくりたいトリガーハッピーな気分に最適で、かつ稀に手に入る高額品が嬉しいというおまけつきです。
お気に入りの船に乗ってオーバービューがNPCで埋めつくされるサイトに殴り込みをかけるのも楽しいですね。


【ハイセク戦闘サイトの種類】

戦闘サイトは4つに分類できます。(今回はローグドローンのサイトを無視します)

Combat anomalies
発生していればスキャンウィンドウに表示されるコンバットサイトです。
ハイセクでは「Hideaway」「Hidden Hideaway」「Forsaken Hideaway」「Forlorn Hideaway」「Burrow」「Refuge」「Den」の7つあり、それぞれ頭に海賊派閥の名前が入ります。
例:Guristas Hideaway
ゲートが無いので船の入場制限はありません。
稀にレアNPCが出現し、ごく稀に海賊派閥のモジュールや派閥インプラントの現物(トゥルー・サンシャからドロップするようになったニルバーナ・インプラントはBPCでした)、海賊艦のBPCをドロップします。
一部のサイトは攻略をトリガーにプライベートDEDサイトにエスカレートすることがあります。どのサイトからどのDEDに発展するかは海賊派閥によってまちまちです。
発生場所は攻略した場所から10ジャンプ(8だったかも?)以内のシステムで、ローセクやヌルになることもあります。

Unrated complexes
プロービングで特定する必要があるコンバットサイトです。
ハイセクでは「Hideout」「Lookout」「Watch」「Vigil」の4つあり、それぞれ頭に海賊派閥の名前が入ります。
入場制限のあるゲートが入口になります。
レアNPCが出現する可能性が高く、特定のNPCの撃墜、ゲートをジャンプする等の何らかの操作や特定の構造を攻撃、または破壊することでエスカレーションをトリガーすることがあります。

DED complexes
プロービングで特定するか、コンバットアノマリーからのエスカレートで入れるようになります。
ハイセクでは難度別に5つに分けられ、名前は海賊派閥によって違います。
入場制限のあるゲートが入口になります。
DED品と言われる強力なモジュールが主な戦利品で、稀に海賊派閥のモジュールや船のBPCをドロップすることがあります。

Expeditions
一般的にエスカレーションと言われるコンバットサイトです。
「エスカレーション」と言う場合、DEDのエスカレーションは含まないこともあります。
「Unrated complexes」のコンバットサイトでトリガーする以外に発生しません。
エスカレーションサイトは4部構成になっていて、ランダムで続きのエスカレーションサイトに発展します。
続きのエスカレーションは、より低いSSのシステムに発生しやすい性質から、多くの場合4つ目のサイトはローセク(もしくはヌル)になります。
1つ目がローやヌルの場合もあります。
高確率でレアNPCが出現します。

各コンバットサイトの詳細はUNIWIKIのCombat sitesで確認してください。
私はローセク行きのエスカレーションを含むハイセク由来のすべてのコンバットサイトを攻略しましたが、UNIWIKIの情報が間違っていたり、重要な情報が抜けているものもあるので、はじめて攻略に挑戦する場合はサイトごとに複数の攻略情報を検索してみてください。

NPCは各派閥で攻撃と耐性の属性がおおよそ決まっています。
ガリスタスならキネティックに火力のほとんどが集中してサーマルがおまけでついてくる感じです。
ただしこれにも例外があって、NPCの種類によって別の攻撃属性や耐性属性の振り分けになっているものも含まれます。セントリーガンにも注意しましょう。
「やたらとダメージが通り始めたな」と感じた時はNPCの中にこちらの弱点属性を突く高火力のNPCが混ざっていたりします。
Webやスクラム等の妨害をしてくるNPCが一機いるだけでも危機に陥ることがあります。
下調べは重要です。


【ハイセク戦闘サイトで手に入る品々(ガリスタス)】

戦闘サイトをフリゲートで攻略する今回の企画で、T1FGのFitをいじくりながらコツコツと攻略していた2週間分(20日分くらいかも?)の主な戦利品です。一部駆逐艦以上の船でしたが、9割はT1FGでの戦利品です。

ガリスタスDED3/10、4/10、5/10からの戦利品です。
画像の中で最高額になる「Pithum C-Type Adaptive Invulnerability Field(旧名)」は300~400Mで取引されていましたが、レジ上げモジュール弱体化の影響で現在200Mあたりまで値崩れしています。代わりに、よくドロップするシールドブースターが値上がりしているので収穫としては以前と同じくらいかな?という感じです。

こちらはDED以外の戦闘サイトのレアNPCからのドロップです。

その他、ガリスタス系のハイセク戦闘サイトではDEDとレアNPCからごく稀にGilaとWormのBPCが手に入ります。

大儲けできるわけではありませんが、ハイセクでPVEを楽しみながら手に入るものとして中々良い収穫と言えるのではないでしょうか。
高額品でなくても役立つモジュールが結構手に入るので、自分の船を組む時に重宝します。


【今回扱う戦闘サイト】

全ての戦闘サイトになると数が多すぎるので、今回はカルダリ領でできるガリスタス系戦闘サイト、中でも攻略が簡単で高額品が手に入りやすいDED4/10「Guristas Scout Outpost」をT1FGで攻略する方法について解説します。


【T1フリゲートでDED4/10は攻略可能か?】

DED4/10は一般的に巡洋艦や巡洋戦艦での攻略になります。
人気の船としてはDED3/10にも入場できるGilaとOrthrus、次にGnosisといったところでしょうか。
多数のNPCからの集中砲火に負けない十分なタンクと、それらNPCを次々に薙倒していく火力。ハイスロットにブローブランチャーを積める余裕があって、そこそこのお値段で船が組めるのでDED4/10回しに最適な船です。
ただ、船や装備の性能を十分に引き出すためのスキルトレーニングは始めて数か月のプレイヤーにとってハードルが高く、高額装備で要件を満たそうとするとバカ高い船になるのが難点です。
※高すぎる船でハイセクをうろつくとSuicide Ganking(カミカゼ)の標的になりやすいので注意。

そんなこともあって、T1FGで何とかならないものかと何種類かの船で試したところ「思っていたより良い」という結果が出ました。

それなりのスキルトレーニングが前提になりますが、10Mくらいまでの船で、モジュールをオーバーロードさせる必要もなく、コンバットブースターやインプラントも不要です。もちろん高度な操船技術もいりません。
攻略には時間がかかりますが許容範囲だと思います。


【下ごしらえ】

DEDサイトランはハイセクで人気のアクティビティーです。
同業者が多く、サイトの奪い合いは日常茶飯事です。
T1FGでのDED攻略は時間がかかるため、プロービングで特定するDEDだと高確率で同業者に持っていかれます。
なのでフリゲートで攻略に挑戦する場合は下ごしらえをしましょう。

下ごしらえとは、コンバットアノマリーでDEDをトリガーすることです。
ガリスタスだと「Hideaway」と「Refuge」の攻略がDED4/10「Guristas Scout Outpost」へのエスカレートをトリガーします。

エスカレーションとして発生したDEDはプライベートサイトなので、スキャナ・ウインドゥに表示されません。つまりコンバットプローブでこちらの船が特定されない限り誰もサイトへ侵入できません。もし特定されたとしてもT1FGでDED4/10攻略中と疑われることはほぼ無いと思われるので、安心して自分のペースでサイト攻略できます。

アノマリーがDEDをトリガーする確率は低いです。体感としては10%以下(おそらく5%)といったところでしょうか。なので多くのサイトを短時間で攻略しないとお目当てのDEDにたどり着くまでにかなり時間がかかります。
時間重視でいく場合は特に「Refuge」は無視して簡単に攻略できる「Hideaway」に絞りましょう。DEDをトリガーする確率はどちらも同じように思います。

カルダリ領は特に、プレイヤーのログイン数が多い時間帯になるとかなりの頻度でサイトが湧き続けます。同じところをグルグル巡回しているだけでいくらでも「Hideaway」を攻略できる穴場がいくつかあります。
サイトを独り占めできるような過疎地で、エスカレーションがハイセクに発生しやすい(周辺にローやヌルが少ない)エリアが下ごしらえに最適と言えます。

DED攻略用のフリゲートで下ごしらえし、サイトが発生したら現地にそのまま飛んで行くのが手っ取り早いですが、他の方法としてDEDエスカレーション専用艦を使う手もあります。
エスカレーション系サイトは発生してから24時間以内であればアクセスできます。
今日はDEDを発生させておくのに専念して、攻略はまとめて明日にすることもできます。
実生活の予定に合わせて下ごしらえしましょう。
※攻略中であっても24時間が経過するとサイトが消失するので、時間に余裕をもって攻略に挑戦します。

下は下ごしらえ専用艦の参考fitと参考動画です。

※記事を書いている途中でアップデートがあり、防御系のモジュールやリグに微調整が入って名称が変更されました。以降の参考Fitはフリゲートも含めて旧バージョンのものになります。
性能やFit要件に大きな違いは無いと思うので参考にはなると思います。

高機動コーモラント
リグでワープスピードを上げ、ロックオンスピードに特化させるスクリプトをセンサーブースターに突っ込んでいます。
即ロックオンとレールガンで弱いNPCを瞬殺し、同業者がサイトに乗り込んできた時にはすでに次のサイトにワープしている高機動早撃ちFitです。
オートターゲッティングシステムはロックオン可能数を上げるために積んでいるだけで、DEDの下ごしらえ用には必要ありません。
MWDはドレッド・ガリスタス等のレアNPCが出た場合にドロップを素早くルートするために積んであります。
このFitで大事なのは射程距離です。
「Hideaway」は敵までの距離が15kmと30kmの2パターンあります。
射程距離はレールガンと弾薬の種類で決まるので、敵が最適射程距離に入るように選択するのが好ましいです。発射間隔とボレーダメージも考慮して最適解をみつけてください。
非常に脆いFitなので、火力の高いNPCがいるサイトに突撃すると簡単に落とされてしまいます。

半自動コラックス
リグとシールドエクステンダーでシールドリチャージ型のパッシブシールドタンクにしています。
シールドの自動回復量は最大で35hp/sあるので低レベルの戦闘サイトでは全弾浴び続けても余裕でタンクできます。(DED4/10は無理です)
ライトミサイル・ランチャーにオートターゲッティング・ライトミサイルを装填しています。
火力がノーマル弾より落ちますが、ランチャーを一度オンにしてしまえばNPCが全滅するまでロックオンすることなく撃ちっぱなしになるので非常に楽ちんです。
スキルレベルがカルダリデストロイヤー4とオートターゲッティング・ミサイル3のキャラクターで運用していますが、弱いNPC相手であれば問題ない火力です。
プローブランチャーはDED3/10の攻略も視野に入れているので積んでいます。
このFitだと「Hideaway」以外のサイト攻略に時間がかかりますが「今日はだらだらゲームしながらコラックスを愛でたい」気分の時に出航させています。
だらだらモードのための船なので、プローブをSOE製にすると本気感が出てしまうためノーマルプローブを装填してあります。


【各T1FGのFitとDED攻略実践】

DEDをトリガーして下ごしらえができたら船のカーゴを確認します。
フリゲート級T1戦闘艦はカーゴが狭いので、戦利品が入るスペースがあるか、十分な弾薬が残っているかチェックし、必要なら一旦拠点に戻って準備します。
カーゴスペースを増やしたい場合はスモール・スタンダード・コンテナを組み立ててカーゴに入れておきます。コンテナは一部を除いて体積に対して収容量が多い不思議設定になっているので、その分船に積める量が増えます。

今回はT1FGの中からケストレル、ブリーチャー、トリスタンを選択しました。
ガリスタスDED4/10なら他にも攻略可能なフリゲートがいくつもありますが、以上の3つを選択したのは「Guristas Scout Outpost」のNPCの攻撃属性とダメージ耐性に対して「有利なFitを安価に組めて火力高め」というのが理由です。

武器はロケットとドローンに絞りました。
ライトミサイルの方が距離が離れた敵に届くので楽になりますが、十分なDPSを確保しようとするとFitの都合で防御系が脆弱になるので不採用にしました。
タレットに関して、短射程系は小型艦を倒すのにいちいち接近する必要があるし、長射程系はDPSがネックになるので不採用です。程よい射程とDPSが実現できそうなパルスレーザーは、気にする程ではないかもしれませんが、属性の問題で対ガリスタスに向いていません。

先に注意点を一つ。
T1FGでDED4/10を攻略するときに一番大事なことは「止まらない」です。
なるべく最高速に近い状態を維持したまま動き続ける必要があります。
うっかり止まってしまうと大きい船からの攻撃が直撃してピンチになります。
止まると窒息死してしまう回遊魚の気持ちでサイト内を泳ぎ続けましょう。

DEDケストレル
主にノーマル弾を使います。Rage弾は破壊に時間のかかるテレスコープに使います。
シールド系のリグを増やしたり、他のシールドエクステンダーに変更すると船の当たり判定が大きくなりすぎてタンクが厳しくなることがあります。
「Guristas Scout Outpost」でNPCのメイン火力はギラのミサイルなので、当たり判定の大きさが総ダメージ量に直結します。スピードタンクだけで防げません。Fitをいじるときは気を付けましょう。
中型のシールドエクステンダーにしている理由は、最大瞬間火力でダメージが入ってもシールドが飛ばされないようにするためもありますが、シールド容量増加の影響でシールドの自動回復量が増える効果もあります。
最大火力を喰らい続けてもシールドブースター+自動回復でシールド残量が70%あたりでキープできる設計になっています。
CPUの関係で片方のバリコンをT1メタ品にしているので総額が高めになっています。
ライトミサイルを使ってみたい場合は、Fit系スキルがフルスキルあれば、ランチャーをアルバレスト・コンパクト・ライトミサイル・ランチャーに、ABを1MN Y-SB コンパクト・アフターバーナーに換装すると、そこそこのDPSを確保してタンクを維持できます。



先の例はFit系スキルがほぼフルスキルないと厳しくなるので、スキル要件が少なめのFitも貼っておきます。
火力が落ちるしT2弾も使えないので攻略時間が余分に増えますが、これでも簡単に攻略できました。金額も抑えてあります。
余裕があればランチャーをT2品にします。
他のフリゲートでも同じですが、所持スキルレベルが低すぎると危険です。
このケストレルの場合、カルダリフリゲートはLv5、ロケットの飛距離は13kmは欲しいです。シールドも含めて関係するスキルは最低でもオール4推奨。
所持スキルに不安がある場合は、シールドブースターをオーバーロードさせた状態でキャパシタが安定しているか、あるいは脱出するのに十分もつか確認しておきましょう。
ワープ妨害をされないのでシールドが50%を切りそうになったら一旦脱出する心の準備をします。
DPSは高い方がいいですが、「Guristas Scout Outpost」には耐久値の回復量が多いNPCは出ないので、多少火力が低くても時間がかかるだけで攻略はできます。


DEDブリーチャー
Fitの方向性はケストレルと同じです。
シップボーナスでシールドブースターの回復量が上がるのでタンクに余裕があり、かつ火力高めです。
ドローン系スキルが必要なのでスキル要件は多くなります。
ケストレルと違ってシップボーナスでロケットの飛距離がのびません。ミサイルの飛行時間と飛行速度のスキルが低いと敵まで届かないので注意しましょう。(ロケットの飛距離はフルスキルで10km)
CPUが足りない場合はダメコンを外して他の何かに換装しても問題ないと思いますが試していません。
ドローンが狙われたら即回収しないと落とされるので注意です。海軍品にすると耐久値が上がりますが高いのでお勧めはしません。ライトドローンスキルが5ないときはT1品でOKです。
他の船も同じですが、キャパシタが安定していないと死にます。要チェックです。

これはスキル要件が低めのFitです。
バリスティック・コントロールをT1のノーマル品に、ドローンもT1にしても十分な火力をキープしています。
火力とタンクと速度が高水準のT1艦ですね。強すぎじゃないですか?他のフリゲート級T1戦闘艦に少しテコ入れした方がいいような。


DEDトリスタン
アーマータンクもあった方が良いと思ったのでトリスタンを選択しました。
リアクティブ・アーマーハードナーは各属性に15%のレジしかありませんが、1サイクルごとにダメージ量の比率が高い属性に少しずつレジが振り分けられます。例えば単一属性に火力が集中した場合、モジュール単体で最大60%のレジになります。このFitでキネティックに火力が集中するとレジが80%を超えるので非常に硬くなります。敵の攻撃属性が固定で長期戦になる対NPCには特に有効なモジュールです。
パワーグリッドが厳しい場合はレールガンをT1品にしましょう。火力に大差はありません。
キャパシタが安定しない場合は、キャパシタ消費が少ない弾薬を使ったり、キャパシタ系のモジュールをT2品にしたり、リアクティブ・アーマーハードナーをキネティック・アーマーハードナーにしたり、思い切ってレールガンを外したりすれば何とかなるかもしれません。
メイン火力のドローンはT2にしたいですね。
趣味でホブゴブリンを3機積んでありますが、ガリスタスの弱点属性を突くホーネットに統一するのがベターです。カルダリドローンは自動回復するシールド容量が多いのも良いところ。
このトリスタンはプローブランチャーを積んでシグネチャのDED3/10と4/10も攻略できる欲張りFitにしてあります。
奪われやすいシグネチャDEDですが、同業者がガチFitのOrthrusでサイトに乗り込んできても「トリスタンでDED4/10www。マジか。一人で大丈夫?がんばれよ!」と去っていく、戦場の癒し系トリスタンならではの効果があったりなかったりします。

自艦が何であれ、サイトを奪いに来た同業者を退ける方法として案外効果があるのは、ローカルチャットで相手に挨拶することです。「o/」(手をあげてコンニチハ)とか「o7」(敬礼)でOKです。
少なくとも私は、自分にとって好ましくないプレイヤーだと判断した場合は別ですが、奪う気満々でサイトに侵入しても挨拶されたら手を引きます。
挨拶してきた相手にちょっかいを出すのは無粋と思うからです。
このタイプのプレイヤーには効果的です。
仁義無き一匹狼の無頼派には通用しませんが、面倒なのが入ってきた時はダメもとでやってみるといいかもしれません。

逆効果になりがちなのは「これは俺のサイトだ。お前は出ていけ。」です。
「奪い合い」「だまし合い」「殺し合い」が核になるゲームで一方的な権利の主張は愚の骨頂です。バカにされたり、カモ認定されることもあるので気を付けましょう。

また、競り合いに勝ってドロップを回収する権利が自分にあっても気は抜けません。
戦利品を素早く回収しなければ奪われることがあります。
中にはわざと競り負けてから他人の戦利品を奪うFPK屋(B-OSP EVEONLINE WIKI「フラグPvPの事例」)もいるので、戦利品をかすめ取られても、FPK対策ができていないならカッとなって黄色に点滅する船を撃つのは避けた方が無難です。


FPK屋に殺されて勉強になった体験談があります。(キモイ自分語りを含むので注意)

第一回目のガリスタス・ハントのイベント(ミステリアス・カプセルを倒してサイトのゲートキーを手に入れるやつ)のサイトをハシゴしてかなりの額を稼いでいました。
ロー、ヌル、Wスペースも含むニューエデン全域を対象に、探検で習得した穴場探しのノウハウでサイトの湧き場を探り出し、同じく探検で習得した索敵術でイベントサイトを回るついでにカプセルを発見してゲートキーを手に入れました。ゲートキーは消費するより手に入れる数が多く、余剰分は契約で売り払いました。戦利品はゲッコーのBPCや高額モジュール等がゴロゴロ手に入ったので、弁当箱は売却し、手元に残した戦利品だけでも5Bを越えました。

プレイヤーとハイセクのイベントサイトで競合しても負ける気がしませんでした。
これはDEDサイトの奪い合いのノウハウが役に立ちました。
私が乗ったのは安いFitのホークでしたが、先にゲートをジャンプする方法や、その他相手を出し抜く技を身に着けたので、船のスペックで圧倒されない限り競り負けません。(凡ミスを除く)

イベントサイトに慣れてテンポ良くサイト攻略をしていた時、一人のプレイヤーが飛び込んできました。
攻略しながらキルボで情報を確認すると、かなりPVP慣れしているようで、明らかにイベントサイト巡りをしているホークを一隻ハイセクで撃沈していることからFPK屋の疑いアリと判断しました。

そのサイトは手際で圧倒してボス撃破と戦利品の回収を完了させ、早々に次のサイトを探して飛び立ちます。するとそのプレイヤーは半ジャンプほど遅れながらどこまでもついてきました。(たまたまルートが同じだった可能性あり)
プレイヤーの情報欄には、プレイスタイルや人柄がうかがえるコメントが強い意志で書かれていました。
私は敬意を払うべき人物とみなしました。

私がサイトにワープすると、そのプレイヤーも入ってきました。
勝負。
ノーミスで先行してボス部屋にジャンプし、killを取って勝利目前、僅差で戦利品を奪われました。
黄色く点滅する相手の船は、ワープで逃げる動きを見せません。
窃盗狙いなら直ちにワープ態勢に入るので、明らかにFPKを狙っています。

私は間髪を容れず目の前の地雷を踏みに行きました。
PVP仕様の船に対して自艦はPVE仕様。相手を追い込めたとしてもワープ妨害できないので勝ちはありません。それは交戦フラグをたてる前に理解していました。
勝ちは無くても追い払えるだろうという少しの自信と、戦闘を通して何かを学べそうな好奇心でロケットランチャーをぶっ放すことに決めました。

戦闘開始と同時に相手のVengeanceからスクラムとニュートが入ります。
ロケットの火力は予想どおりで、薬をキメた状態でぎりぎりタンクできそうなDPSです。
交戦前はハイスロの空きに積んでいるのはノスだろうと思い込んでいたので、ニュートをかまされたときは怯みましたが、キャパシタを十分強化していたので何とかなると思われました。

完全に捕らえられた私は長期戦と判断し、キャパシタを節約するために太陽にアラインしたままアフターバーナーを切りました。

勝負は実際に長期戦になり、500発のネイビー弾を撃ち尽くしてフルチャージできなくなったところでRage弾に切り替えます。

この辺りで相手がどういう人物か探ろうとローカルチャットに書き込むことにしました。

「nice ship!」

少し間を置いて
「so is yours :)」
と返答。

会話は以上。
私は嬉しくなって「相手が弾切れになるか、こちらが落とされるか」の勝負に集中しました。
単純に誉め言葉として受け取ったということではなく、何とも言いようがないニュアンスなので書きようがありません。

PVP慣れしていない私は、緊迫した状況なら特に手が震えてしまうのですが、この時は不思議と冷静で、テンパって無駄な操作をしたりしませんでした。
モジュールのオーバーヒートやキャパシタの管理は、自分の技術のレベルで最善を尽くしました。が、少しずつ押され始めます。

ニュートを使っていることもあって相手のキャパシタ管理もシビアなようです。
ダメージがハルに通らないぎりぎりのところでアーマーリペアとニュートを切り替えていました。
流石というか当然というか、絶対にスクラムは外しません。

1000発以上あったRage弾の底が見え始め「いよいよノーマル弾に切り替えるか」となったあたりで、相手がニュートとDPS全開で追い込みにかかります。

何とかやり繰りして維持し続けたシールドブースターが、ついに燃え尽きかけてオーバーヒート解除、キャパシタも25%を切って詰みを確信した私は、弾薬以外の船の積み荷を排出しました。
キルボでの損失額を抑えるという意図もありますが、排出した総額100M程度の戦利品の入ったコンテナを、相手への敬意を込めて所有権を放棄してブルーにしました。

できる事はやり尽くした。
1秒でも持ちこたえようと手を緩めずに、撃沈されるまでの間、充実した気分を楽しみました。

ついに船は落とされ、ポッドでワープ。
相手より先にチャットへ「gf」と書き込めたので満足感はピークに達し、Jitaまでの道のりを自分が殺されたkillメールを見てニヤニヤしながらポッドを飛ばしました。

完全な敗北。
しかもFPK屋に、スクラム等のPVP装備を別の物に置き換えて船を強化した、ある意味有利な状況でぶち殺されたわけですが、浮かれてしまう私。

私は密かにこのようなプレイヤーをティーチャーと呼び、「自分がもう少しやれるようになったら再戦したいリスト」に加えています。

いつかティーチャーを殺す。

これもまたEVE Onlineをプレイする喜びです。

FPK屋も十人十色。
殺したり殺されたりするうちに「これは」という人物を見つけるかもしれません。