2022年6月26日日曜日

ソロPVP講座(ロケットと手動操船

はじめに「魂を込めずに撃ったロケットは相手に届かない」と言っておきます。


【あなたのロケットはあの人に届きますか?】

ロケットが何km先まで飛ぶかは弾自体の性能とスキル、シップボーナス、コンバットブースターやインプラント、モージュール、リグで決定されます。(ワームホール空間やイベントサイト等の環境効果にも影響するものがあります)
これらの他に飛距離が変化する条件はないため、ターゲットが十分に近い場合はロケットが届き、逆に飛距離よりも遠いターゲットには届きません。よって遠い相手に当てるためには近づく必要があります。と考えていると、あなたのロケットは届かないことがあります。

初恋のあの子に想いを伝えるべく勢いにまかせてアタックするも無残に玉砕した経験をお持ちであれば、正々堂々としたアプローチが最善手とは限らない事を理解されていると思いますが、届けるものがロケットである場合はより一層、鼻息荒く正面から迫ると逆効果になったりします。快くロケットを受け止めてくれるプレイヤーは少ないと言っていいでしょう。時と場合によっては時間をかけて、つまり弾着までの時間を利用することで届くロケットもあります。
ロケットを含むミサイル系は発砲と同時に即弾着するタレットと違いヒットするまで時間がかかるわけですが、これを長所として活用できるかどうかが腕の見せ所になります。


まずロケットを使用する際の要点をいくつか見ていきましょう。

1)ロケットの飛距離は一定か?

これはゲーム内に情報がないため、知っている人は思いのほか少ないかもしれません。
ロケット(ミサイル系)の飛距離は確率で決定されます。

フルスキル時のケストレルにおいてロケットの飛距離は下の様になっていますが、これは平均の飛距離です。
13km:レイジ弾
15km:ノーマル&派閥弾
23km:ジャベリン弾
が、正確には、
12.7km(98.9%の確率で12.6km、1.09%nの確率で16.8km):レイジ弾
15.2km(99.1%の確率で15.1km、0.901%nの確率で20.2km):ノーマル&派閥弾
22.8km(99.4%の確率で22.7km、0.605%nの確率で30.3km):ジャベリン弾
この数値はPyfa(v2.43.0)を元にしています。
画像の様にPyfaでランチャーに弾をセットした状態で飛距離にカーソルを合わせると表示されます。
ケストレルのシップボーナスが適用されたジャベリン弾の場合、弾速7594m/s × 飛行時間3秒 = 22.782km が基本飛距離となり、稀に1秒分長い30.376kmまで飛びます。この平均飛距離が22.8kmです。

また例外として、通信遅延やTiDiが発生している場合、最大飛距離に到達する前に消失することがあるようです。

2)弾速は常に一定

現実世界で移動中の宇宙船からロケットを発射すると宇宙船の速度がロケットの初速に加算され、その後ロケットの推進力により徐々に加速していきますが、ゲームでは船の速度に関係なくロケットは常に一定の速度で飛びます。

3)どこに当たってもダメージは同じ

ミサイル系のダメージ計算は、ミサイルの爆発速度、爆発半径、基本ダメージを元にします。(他にDamage Reduction Factorというダメージ計算に関わる数値が内部的に各ミサイルに振られています)
また、ダメージを軽減する要素は、レジ、船の大きさ、ヒットした時の船速のみです。
移動中に進行方向から飛んできたロケットを正面で受けるのと、後ろから飛んできたロケットがおケツに弾着するのを比べると、飛んで来るロケットに向かってぶつかりに行った時の方が痛そうですがダメージは同じになります。つまり、進行方向に対してどの向きから飛んで来るかはダメージ計算に影響しません。
ダメージ計算には直観に反する事柄が含まれていることを確認しておきましょう。
ミサイル系のダメージ計算については別記事にするかもですが、自分と想定される相手の船のFitを元に具体的な数値を当てはめて、実際に一度自分で計算してみることをおすすめします。
数値を暗記する必要はなく、ダメージ計算に何がどれくらい影響するかイメージを持っておくとより効果的なFitや戦い方をする助けになります。

4)近くても届かず、遠くても届く物なんだ?

ロケットと想いですけど?
単純な事ですが逃げるターゲットを追いかけている場合、ロケットの飛距離より近くても届かない事があります。相手がロケットより高速で移動している場合は目と鼻の先に位置していたとしても届きません。
逆にこちらが追いかけられている場合はお互いの速度と位置関係次第でかなり離れていても全弾直撃になることがあります。


【ロケットを届けるための手動操船】

以上を踏まえて実戦のPVPで動き回る相手にロケットが届くよう動きを工夫してみましょう。
特に相手の速度が極めて速い場合は「アプローチ」「オービット」「キープアットレンジ」のボタンを押すだけではロケットはかすりもしません。
相手がマイクロワープドライブやナノファイバー等で機動力を高めた高速カイトFitで自分はアフターバーナーのみ。しかも相手がベテランパイロットだったらミスしてくれない限り捕まえるのは不可能です。が、上手くいけば追い払えるかもしれません。
カイト:相手の攻撃が届かない距離を維持し長射程武器で一方的に殴るタイプの戦い方。その様子が凧揚げをしている様に見えることから"Kite"もしくは"Kiting"と呼ばれる。
相手がワープディスラプターにレンジボーナスがある高速な船。例えばインターセプターやガルムに捕まったら絶望的ですが、T1フリゲート同士であれば不利を覆すチャンスがあります。


具体的にイメージできるように船とFitを指定しようと思います。
今回はロケッターとして評価の高いケストレルの視点で見てみましょう。
PVPケストレルの定番Fitです。
リペアラーを400mmプレートにすることもありますが、私は相手のDPSが高くなければこちらを好んで使います。
相手が短射程タレットの場合はレンジを支配しやすいFitであるため落ち着いて操作すれば優位な展開に持ち込めることが多いです。よって、ここでは相手をするのが難しい高速カイト艦との交戦を想定して進めていきます。

1)キープアットレンジされた時
これは簡単で、ただ真っすぐ逃げるだけです。
T2ワープディスラプターの射程は24kmですからケストレルで逃げながらジャベリン弾を撃てば追いかけてくる相手に確実に当たります。オーバーロードでディスラプターの射程をのばしてジャベリンが届かない距離をキープできますが時間は限られます。
Fitは高速にするほどDPSやタンクが犠牲になるので、Fit次第ですがタンク勝負でカイト艦は不利だと思います。
ワープ妨害が外れた瞬間にワープできるように、天体等の物体かブックマーク等のワープ可能なものに向かって軸合わせしておくと良いと思います。
これは手動操船をするまでもないですが、ロケットケストレルにキープアットレンジだけで勝てるカイトFitは多くないでしょうから、この様な展開は少ないように感じます。

2)オービットされた時
オービットする相手にロケットを当てるのは難しいです。
円軌道を高速移動する目標にロケットを撃つと追いかける形になるため、近くを旋回している相手でも届かなかったりします。
スリングショットで捕まえられず、かつワープ妨害を外すことも不可能な機動性能差がある場合は一見絶望的な状況ですが、単に指定した距離をオービットしている相手であれば追い払うことが可能です。
距離を指定した自動操縦によるオービットでは、距離が縮むと外へ向って、距離が開くと内へ向って指定距離を維持しようと動きを変えます。これを利用し、相手がこちらを追いかける形に持ち込むことでジャベリン弾を必中させることができます。
やり方は簡単で、相手のオービット軌道の先へ向ってアライン(空間をダブルクリック)を繰り返します。初めはどれくらいの位置を指定すれは良いか分かり難いかもですが、タクティカルオーバーレイ(船の進行方向と速度がベクトルで表示されるカメラモード)で視点を引いてお互いの船が画面に納まる様にすればやりやすいと思います。

3)手動操船でカイトされた時
ニューエデンにはT2ワープディスラプターの射程圏内でジャベリン弾をかわし続ける手動操船ができてしまうプロフェッショナルが存在します。こちらの動きを先読みしてくる悪魔の様なパイロットに捕まると落とされるのは確実なので、相手の妙技を堪能しながらポッドで脱出する心の準備をしておきましょう。


以上、文章だけでは伝わり辛いと思ったので撮影しました。
実際のPVPではなくケストレル担当と高機動Fitのアトロン担当の2キャラを使ってテストサーバーで動きを再現しました。


これは撮影で使用したカイト仕様のアトロンです。
とにかく速ければ良いという即席Fitなのでオススメではありません。レイルガンはオマケで付けてみただけで、試しに撃ってみると高速オービットしている状態では速すぎて相手に当てることはできませんでした。
ミサイルカイト艦でも良かったのですが、ガレンテイベント中なのでアトロン一択で。

2 件のコメント:

  1. 実戦上の感覚値としては理解してましたが、
    流石の検証動画です!

    実際にカイトされると焦って相手に近づこうとしてしまい、
    結構まともに判断するのって難しいんですよね。
    相手がオービット軌道を描いていようものなら
    ロケットが動画の途中に映っているようなカーブを描きながら
    相手のキュートなお尻を追いかけまわしてしまい、
    相手に想い(ロケット)が届かないというケースがままありました。
    (あのカーブ分も航行距離をロスしてるのかしら?とか思いながら)

    やはり想い(ロケット)というものは、
    自分が追いかけるより追われるようになってから、
    相手の真正面からお届けするのがよろしいようですね。

    非常に参考になりました!

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    1. 「やはり想い(ロケット)というものは、
      自分が追いかけるより追われるようになってから、
      相手の真正面からお届けするのがよろしいようですね。」
      lol
      それが一番難しい!

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