2021年11月11日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその13

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【酷暑のバラナシを散歩する日々2】

日暮れからP(プージャー)した。ダシャーシュワメードガートでは毎日?日暮れと共にPが始まる。

小さな法螺貝の様な物をブボォォォ~!と鳴らしたり。

香炉を振り回して祈りの舞。

燭台を持って祈りの舞。

炎が立ち上がる器を持って祈りの舞。

孔雀の羽のうちわを持って祈りの舞。

再び小さな法螺貝。

フサフサしたのを持って祈りの舞。

合掌したまま祈りの歌。

最後に何かをガンジス川に持って行き終了。及び解散。

途中いくつか抜かしているがおおよそこの様な流れ。始めから終わりまで鐘をガンガン鳴らしながら賑やかに執り行う。

帰り道。スイカの皮をモーモーに与えるスイカ屋さん。


【酷暑のバラナシを散歩する日々3】

僕は昨日何をしたのか、バラナシは今日で何日目なのか、そんな事が曖昧になっている。覚えている事はムカついた事ばかりだ。

昨日は確かガンジス川沿いの迷宮地帯を川上の端までうろつき、そこからガートへ出て川下へ。火葬場のガートにたむろする二十歳前後のチンピラ少年どもに絡まれて、日本語を喋る客引き達によって既にイラついていた僕は日本語で「ナンデヤネン!」と何度もどついてくるヘロヘロでチビのチンピラに怒り、ヘッドロックして乱暴に振り回してやった。
本格的に喧嘩になりそうなところへチンピラ少年どものボスと名乗る目付きだけ鋭いデブでチビのおっさんが登場し、更に面倒な事になりつつある時、No.2らしき若頭みたいなのが登場。そいつは穏やかに間に割って入り状況を好転させようとし始めた。
僕は本気でチンピラのガキをガンジス川に沈めてやろうと思い始めていたが、No.2の落ち着きっぷりに「こいつは危ない」と感じたので潔く身を引いた。こいつの話しでは、ボスは火葬場であるマニカルニカーガートを仕切っており撮影禁止のガート内もボスにいくらか金を渡せば撮っても良いだとか、自分は麻薬全般を扱っていて欲しい時は一声掛けてくれだとか、僕にちょっかいを出してきたガキはラリっているから相手にするなだとか説明(警告)をしてきた。インドでは揉め事があっても滅多な事では暴力を振るわない。手を出すと殺人に発展することも多いのだとか。そう言う意味でも際どい一件だった。たかがバラナシの田舎者のチンピラ相手でもボコボコに痛めつけたりすると後が怖いという話し。

事態は丸く治まったが気分はムカついていたのでダシャーシュワメードガートでP(プージャー)した。

ボートに乗ってガンジス川からPするインド先輩達。

Pしていくらか気分がましになったが、帰り道でたかってくる日本語を喋る系の客引きによって再びご機嫌斜め。「コンニチハジャパン。ドコイクノ?」に対して初回だけ「No」と簡潔に意思表示する。それでも「ニホンノドコ?トーキョー?オーサカ?」とか言ってくる奴に対しては、そいつの眼の奥に視点を固定したまま諦めるまで「さようなら」と無表情でゆっくりと言い続けることにしている。
ガートからゴードウリアーまでのイライラゾーンをその様に突破して、クソうまいレモンラッシーや露店の飯によって幾分か気持ちを落ち着けて宿へ戻ったが、とにかく散々な一日だった。

こんな時は牛の力で癒されるのが一番。数ある野良牛コレクションから何枚かピックアップ。

寝。

うとうと牛と有名なネズミ。

迫る牛。

チャイ屋で一休み牛。

ガンジス川で沐浴牛。

僕の宿の玄関前の牛。

急ぎ足の牛。

乳を飲ませる母牛。

今日はほぼ活動していない。駅に切符を買いに行き、靴修理職人の仕事を見学したくらい。

マハーバリプラムで購入したお気に入り革サンダルのソールが剥がれてきたので修理を依頼した。ほとんど履いていなかったがこの有様である。
インド製品は手作り/工業製品を問わず低品質だ。日本製レベルの質を求めると日本と同等の金額になると思う。バラナシはシルク製品が有名で高品質が売りの様だが織りや縫製は雑である。素材自体の質は悪くはないが、2000ルピー以上の高級スカーフでも細部までくまなくチェケすると織りをミスっている個所があったりするので要注意だ。シルク屋の主人は皆「これはハンドメイドだから仕方が無い。日本の工業製品とは違う」と言うが、日本のハンドメイドのレベルを舐めるなと言いたい。使い捨てが前提のインド製品とは次元が違うという事をこいつらは知らない。

シルク製品はさておき、庶民が使う日用品の類は修理する事で強化する傾向があると思う。はじめから取れかかっていたシャツのボタンは、テーラーショップに頼めばわずか数ルピーで「シャツが千切れるまで着てもこのボタンだけは取れないんじゃないか」と思うくらいしっかり縫ってくれた。僕のサンダルは、ぺらぺらに剥がれていた部分を削り、強靭なワイヤー入りのゴムソールを貼り付け、更に鋲で補強、新品状態よりも遥かに頑丈なニューサンダルとして蘇った。色が剥がれていた部分も色付きの靴クリームで磨いてくれた。
僕は値段以上の仕事をしてくれたインド先輩に対して「ナマステジー(より敬意を込めたナマステ)」と言う事にしている。修理が済んだサンダルを「これでお前のサンダルはストロングだ!」と僕の足元に揃えて置いてくれた靴修理職人のおっちゃんにも手を合わせて「ナマステジー」と言った。


【酷暑のバラナシを散歩する日々4】

実はネパールにて二日目の朝を迎えている。バラナシでは六泊七日したが最後の三日間は発熱と頭痛で完全にやる気を失っていた。40度超えの気温と動物や人の糞尿や腐敗した何かが乾燥して粉末になった物が空中に大量に浮遊している事が原因なのは間違い無い。観光はせずに飯を食い、ラッシーやらチャイやら果物ジュースやらを飲み、それ以外は寝て過ごしていた様なものだ。なので面白い物は少ししか発見できなかった。

街の至るところで見かけるこれは何屋さんか。噛みタバコと呼んで良いのか。インド先輩に尋ねると食べるシガレットだ、との回答だった。僕はスイートタイプを頼んだ。中身の調合によって値段は違うっぽい。僕のは10ルピーだった。この前注文したのは5ルピーだったから今回のはデラックスなやつだ、と思う。

正体不明のペーストや欠片を何種類も葉っぱにのせていく過程は見ていると楽しい。最後に具をのせた葉っぱを三角に包んで渡される。こいつを口にまるごと放り込み、ちびちびと時間を掛けて咀嚼し味わうのだ。味はおそらく苦手な人が多いと思うが二度三度味わううちに癖になってきて、通りがけに店の主人と目が合うと「よ~し、今日もモグモグしちゃうか。」となってくる。噛みタバコは通常は飲まずに吐き出すが、これは飲み込む。タバコといってもニコチンやタールはおそらく含まれていない。ミントぽい清涼感やフルーティーなフレバーを楽しむ物だろう。

パレードに遭遇した。毎晩花火が上がったり夜の街が騒がしいのは、この時期に結婚式が集中しているからだと宿のオーナーが言っていた。これも結婚式か。太鼓をドカドカ鳴らす楽隊の中で「アッヒャー!」と叫びながら踊る若者もいたり。

馬に乗ったマハラジャ仕様の彼が新郎か。ならば一緒に乗っている子供は何だ。親戚の子か。そもそも結婚式じゃないのかも。

書くべきことはこれくらいかと思ったが、そう言えば服を仕立てて貰ったことは書いてなかった様な気がする。
バラナシはシルク製品が有名なことは既に書いた。インド中から結婚式用のサリーを仕立てに人が集まって来るので、街の大通りはサリー屋が軒を連ねている。女性は良い。店の選択肢が多いから。これが男物となると数が無い。レディーメイドの衣類は土産物屋に沢山あるが、僕が欲しいのはオーダーメイドだから。

一着目を仕立てたのは名前を忘れたが何とかクラフトとか言う店だった。生地の種類が少なくてイマイチ。上着のクルターとズボンのパジャーマーをセットで500ルピー。値段は手頃だが品質は値段以下。生地の織がミスってほつれている部分を目立つ位置に使っているし、ボタンの縫いがゆるゆる(これは後日手直しさせた)、洗濯すると染料で水が黒くなる。生地の織りと染色、縫製、良い所が無い。気に入ったのは唯一デザインだけ。自分でオーダーしたのだから当然ちゃ当然か。

二着目は外国人旅行者の間で有名なGanga Handloomsで同じくクルターとパジャーマーをオーダーした。
ここはコットン生地の種類が豊富(インドにしてはという意味で)で定番の衣類だけでなくデザイン画や写真を持ち込めばあらゆるデザインに対応してくれるらしい。
僕はクルター&パジャーマー用の薄手の物ではなく厚めのしっかりした生地を選択した。デザインは基本を元に胸ポケットを外したり、上着の丈を少し長めに、ズボンは細めに注文。2000ルピー。お値段は高めだが品質も高め。インドで初めて完全に満足できる物を買ったような気がする。インドは値段も品質もチープな物が溢れているだけに良い物を見つけるのは難しい。

つづく
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その他の写真











ガンガーメモ
旅行で訪れた時期のガンガー(ガンジス川)は乾季のため川幅が一番狭い状態だった。
雨季には水位が一気に上昇し、川幅も広くなる。
ガンガーは女神であり、マラカ(ワニ:インドガビアルがモデル?)に乗った状態で描かれることが多い。
香川県の金毘羅権現は水神としてのマラカ(別名クンビーラ)が由来。
ガンジス川にはワニとカワイルカが生息しているが水質汚染により減少している模様。
インド先輩の真似をしてガンガーで沐浴すると高確率で何かの病気を発症するので注意。

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