2021年12月16日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその15

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【ダージリンが素敵すぎる理由を記述しよう3】

ダージリン三日目の午前3時半に起床。午前4時にタイガーヒル行きのジープやタクシーが集まる場所へ。
雲が比較的少ない早朝に日の出のヒマラヤを見晴らしの良いタイガーヒルで見物するのがダージリン観光の定番になっているらしい。早朝というか深夜にも関わらず多くのジープやタクシーが警笛をガンガン鳴らしながら細い道を数珠なりにタイガーヒルへと走って行く。
カリーちゃんと僕は運悪く他の団体と乗り合わせる事ができず、日の出に間に合うギリギリのタイミングでディスカウントしてきたタクシーを500ルピーでチャーター(相場は一台800ルピーくらいらしい)して遅れ気味に発進。
グーム駅からタイガーヒルへと続く山道(ダージリン付近の道は全て山道ではあるが)は混み合って中々思うように進まず、挙げ句、頂上付近で事故った車両があったみたいで、短い距離ではあるが徒歩で日の出スポットまで向かった。

空が十分明るくなって日の出の瞬間を見逃したと思いながら到着したらコレだった。細かい傷が入りまくったiPhoneのカメラでは拾えない程度にしかヒマラヤを見る事ができなかった。運が良ければエベレストもはっきりと拝めるらしいが、ビューティフルな雲が見られてグッドだ、とカリーちゃんに言うのが精一杯のバッドコンディション。

宿へ戻り、昼まで二度寝してレストランで昼食を。写真のマサラドーサ(50ルピー)は南インドの料理だが、ダージリンの飯屋はどんな店のどのメニューを注文してもハズレが無いくらい全体的にレベルが高い。そして中級レストランで食事しても値段が高くない。凄い!

茶畑が見学できるハッピーバレー紅茶園へ向かう途中ダージリンの中心部を撮影。

茶園の入り口を見逃して行き過ぎた所にあった。なぜか民家の庭から道側の外壁に向かって乗り上げた自動車。放置時間が長い様でラピュタの庭園に埋まった機械の兵隊みたいになっていた。

紅茶工場見学。摘みたての茶葉が紅茶になる寸前の工程まで見学できる。自動的にガイドが付くが、見学が終了してから一人当たり10ルピーを支払った。おそらくこれくらいが相場だろう。ガイドは流暢な英語で丁寧に解説してくれる。

茶摘みの作業を見学。絶景の中で茶摘みをするおばちゃん達は絵になる。ナマステと挨拶をすると日本の田舎のおばちゃんみたいにニコニコしながらナマステを返してくれる。これだけでもダージリンに来て良かったと思える。ここは本当にインドか。


紅茶工場を出た所にある喫茶店でハッピーバレー産最高級茶葉をいただく。一杯25ルピーだったか50ルピーだったか忘れたが、ここの70歳近くになる名物おばちゃん(見た目は非常に若い)の面白トーク付きで値段以上に楽しめた。紅茶を飲んでいるところを撮影してくれるサービス付き。
僕は買わなかったが工場直売の上級茶葉が安く買える。おばちゃんは秤で茶葉を計量するが、重りよりもかなり多めに茶葉を盛ってくれる上に追加でしっかりと二掴みくらい「ミンナニハナイショダヨ」と初代ゼルダの伝説の隠れゴブリンみたいにこっそりかつダイナミックにオマケしてくれる。商売上手なおばちゃんだ。買わないと言ったらそれっきりで、しつこく売りつけようとしない所が良く分かってらっしゃる。セールストークに限ってだが相当な数の言語を操り、老人とは思えない達者な身のこなしでメルヘンチックな部屋に座った客を楽しませるおばちゃんは非常に良い顔をしていた。良い意味で魔女っぽい。


【ダージリンが素敵すぎる理由を記述しよう4】

カリーちゃんは昨日の朝、スィッキム州へ旅立った。簡単に行ける途中のベースキャンプまでだろうがエベレストトレッキングをするらしい。機動力高し。
一方僕はダージリンをゆったりと散歩する生活を開始。ホテルが満室でシングルルームの空いている他の宿へ引っ越ししたくらいで特になにするわけでなく、腹が減ったらチョーメンとモモを食べ、喉が乾いたら香り立つダージリンチャイを飲む。ぼーっとするのに飽きたら気ままに路地へ潜り込み、面白い予感のする方へトボトボ歩いて行く。非常に優雅である。

徘徊するのが面白いのはチョウクバザールとそこから西側の斜面に広がる住宅地。

チョウクバザールは細い道が入り組んでいて地元の買い物客で賑わっている。何を買うでもないが、こんな場所を散歩するのは楽しい。

バザールはジャンルごとに店が軒を並べている。これは調味料屋。スパイスの入った箱が前面に並ぶ。

服屋が集合しているエリアにはせっせとミシンで服を縫う職人あり。

八百屋。インドでは天秤で計量するのが主流。

いろんな人が行ったり来たり。

チョウクバザールから下った住宅街のハズレに植物園があるので行ってみた。
ちょっとした温室と花壇があるが、植物園と言うより公園である。ダージリンに自生している植物をどうこうしているのではなく、日本のガーデニングセンター等でお馴染みの花や観葉植物が主。

腹が減ったらチョウラースター広場から南東に伸びる屋台通りのお気に入りの店へ。
チョウラースターから三軒目。ここのチャイは僕が飲んだ中ではダントツでうまい。通常は小さい紙コップで出てくるが、常連客?はグラスに入れてくれる。グラス入りは量が倍だが紙コップと同額。「グラスでくださいな」と言えばインド平均で10ルピー相当の量で、しかも超うまうまなチャイが5ルピーで飲める。お得過ぎる!
この店のメニューはチャイの他、チョーメン、モモ、サンドイッチ等いろいろ有り。一通り試した結果、僕のベストチョイスはエッグチョーメン(25ルピー)、チキンモモ(25ルピー)、チャイ。合計55ルピーで超絶幸福状態カミング。とどめにご主人と奥さんのハッピースマイルで「また来るしかねぇな」となって、日に二度三度ここでチャイを啜ったり何かをモグモグしてしまう。

この店で使っている茶葉を二袋譲って貰った。250g入りで70ルピー。

チョウラースターから同じメニューの店が三軒並んでいて、一軒目はチャンドラさんの店。壁に貼ってある写真はチャンドラさんではない。ここも美味いが僕は三軒目がベスト。


【ダージリンが素敵すぎる理由を記述しよう5】

明日、ダージリンから自動車で三時間くらいの所にあるニュージャルパイグリ駅から午後9時発の列車でコルカタへ行かねばならぬ。何という事だ。うまうまダージリンチャイと優雅な散歩生活が終了してしまう。
明後日の朝にはクソうぜー客引きとカレー粉ぶっかけただけのマズ飯と埃と酷暑の日々が始まってしまうなんて、風の谷から腐海に突っ込むがごとし。街はインド人という名のオームの大海嘯によって腐海にのまれている。もはや蒼き衣をまといてゴミまみれのサダルストリートに降り立つしかないが、あまりの落差に血を吐いてしまうのではないか。ダージリンに後一カ月くらい滞在したいが既に手遅れ。トルコ行きまで耐えるしかない。よってこれを書きながら『飛んでイスタンブール』庄野真代をループ再生させている。こんな事もあろうかと日本出国前にiPhoneに仕込んでおいた僕偉い。
飛んでイスタ~ンブール~、光る砂漠でロール~♪ってイスタンブールに砂漠あったっけ?と思ったがイスタンブールの街を光る砂漠に例えているのか。良い曲だ。グッド。

ダージリン最後の夜に街で撮った写真を貼って前を向いて歩いて行くことにしよう。おいでイスタ~ンブール~、人の気持ちはシュール~、だから出逢ったこと~も~蜃気楼真昼の夢~♪ だな。

何なの、この中国感。

馬小屋。

スィッキム行きジープ乗り場の受付。

「明後日コルカタか...」の顔。

シバとブッダとキリストと本家サイババとこの前亡くなったサイババを祀った混ぜ過ぎ寺院。

チキンモモ。

ポスト兄弟。

『飛んでイスタンブール』の無限ループ再生を解除して『思い出は美しすぎて』八神純子に移行して寝る。


つづく
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その他の写真








ナマステメモ
サンスクリット語で「こんにちは」を意味する「ナマステ」は「さようなら」の挨拶でもある。
本来の意味は「あなたを敬う」だが、現在は「ちわっす」や「Hi」のような軽い挨拶として使うことも多い。
山岳部の奥地の村で老人とすれ違う時に「ナマステ~」と軽く挨拶したつもりが、足を止めて姿勢を正し、合唱して深くお辞儀をしながら厳かな「ナマステ」を頂戴することがある。
敬意を強調したナマステに「ナマスカール」があるが「ナマステ・ジー」が主流の様だった。
「ジー」は敬称で、いろんな語に使え、「田中ジー」は「田中さん」もしくは「田中様」の意。
ヒンディーで「ありがとう」に相当する「ダンニャバード」はインド人奴隷に「ご苦労」と言うのに近いようなニュアンスらしいので、感謝を表現する時は「ナマステ」と言うと良い。

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