2021年8月30日月曜日

Thera穴の共有ブックマークについて(EVE-Scout

EVE宇宙で長距離移動する際に便利なのがThera穴です。
Thera穴:多数のワームホール(穴)が常時発生するワームホールシステムThera。Theraと接続されたワームホールをここでは「Thera穴」と呼びます。現在地と目的地からそれぞれ近いシステムにThera穴が開いていれば、それを経由してショートカットすることで長距離移動を短時間でできます。
ワームホールの中でレア穴の部類になるThera穴を自力で見つけるのは大変なので、EVE-ScoutのThera情報をチェックするのが手っ取り早い方法ですが、今回はThera穴を利用する際にさらに快適になるEVE-Scoutが提供している共有ブックマークの使い方について解説します。

イメージ図

【共有ブックマーク】

ブックマークには個人用と他者と共有できるものがあります。
ブックマーク自体は同じですが、ブックマークの保存場所を共有フォルダ内にすることで他者(他キャラ)と共有できます。

EVE-Scoutが無償提供しているThera穴の共有ブックマークフォルダを登録しておけば、シグネチャをスキャンすることなくワームホールにワープすることができます。

[EVE-Scoutの共有ブックマークの登録方法]

【未発見のThera穴】

EVE-ScoutのThera穴情報は完璧ではありません。
Theraのワームホールは発見しだいブックマークに保存されていきますが、有志のプレイヤーによる人力スキャン→ブックマークの保存なので発生から時間差があります。
また、Thera側が裏穴になっているワームホールは発生からブックマーク作成までさらに時間がかかることがあります。

※裏穴については『ソロで行くワームホールの渡り方』の【裏穴について】を読んでください。


【便利な穴ほど危険】

Theraは非常に行き来が激しいワームホールスペースなので、穴で出入りを待つPK屋が多いです。
特に多くの人が使いたい穴、例えばJita⇔Thera⇔Amarrを数ジャンプで接続する様な便利な穴は穴キャンしている確率が高まります。

【ヌルへ行くにはどうするか】のTheraについて書いてある箇所を参照してください。

2021年8月26日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその2

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
-------------------------------------------------------------------------------------------

【プリーで療養中】

あれから下痢が悪化し、熱や痛みは無いが、水の様な下痢が始まった。長距離列車に乗る時にツイてない。食中毒とかじゃなく食事のマサラ成分が強過ぎて、僕の内臓が拒否反応したのだと思う。現在、僕は下痢界から無事帰還し、ほぼ一日中寝転んで体力を回復させている途中で、何もせずに寝っぱなしだったので「俺は何日眠ってた⁈」状態になり記憶がぼんやりしている。そんなぼんやりした記憶を下に書いてみよう。

コルカタにて、時間一杯まで粘って宿をチェックアウトして近所のWiFiが使える飯屋に行き、ダラダラ注文しながら時間を潰していた。プリー行きの列車22:35発まで時間があるし、どこかに行くのも荷物が重いから疲れる。もう駅に行って隅っこに座って待つかなと思い始めた頃、飯屋の店内に同じホテルに泊まっている日本人とオーストラリア人のコンビ(空港で一緒になり、成り行きでルームシェアしている男二人。面白い)を発見し、喋っているうちにお腹の調子がまた怪しくなり、駅で過ごすのも寂しいので宿に戻ることにした。

ドミトリー(120ルピー)を借りて荷物を置き、屋上で少しだけ酒を飲みながら皆と喋って時間を潰しつつ時々トイレに走る。

21時になったので皆に別れを告げて宿を後にする。体調の悪化で行きたかったカーリー寺院をキャンセルしたし、ずっとダラダラしていたので街に愛着は無いが、宿では面白い人達と出会えたので思い出に残る場所になったようだ。

タクシーと値段交渉をし続ける。サダルストリートで路駐しているタクシードライバーは、ハウラー駅まで240とか150ルピーとか冗談は顔だけにして下さいよプライスでふっかけてくる。
メインストリートのチョウロンギ通りに出てようやく適正価格だと思われる80ルピーでタクシーを拾い、問題無く駅に到着し、もっと金をくれと言う運転手に笑顔で80ルピーのみを押し付け駅舎へ入る。


時刻表にプリー行きの列車は8番ホームと書いてあったので待つ。ホームに自動車で乗り付けたり、列車から降りてきた家族連れがそのまま自動車に乗って去って行ったりしている。

30分前になっても列車が来ないので駅員に尋ねたら22番乗り場だと言う。そこへは歩道橋を渡り、別の駅舎へ行かないといけないらしい。ちょっと焦った。結構遠かったから。ホームが離れている上に、僕の車両(S3)は先頭車両に近い位置にあったのでかなり歩かされた。インドの長距離列車は車両数が多く、僕の車両まで20両くらいあった。

車両の入口の横に張り付けてある紙に僕の名前が書いてあるのを確認し乗車。車内もボロい。写真左側が二段、右側が三段のベッド(と言うより棚)が並ぶ。天井に沢山ついている扇風機がねっとりとした車内の空気を掻き回す。

夜中になると少し肌寒くなったので市場で買った布を羽織る。
インド先輩達は中国の労働者と違いマナーが良い。ヒマワリの種のカスをぶちまいたり、大声で話すわけでもない。数人が通路や連結部の床に寝ているだけだ。消灯時間になると皆大人しく寝始める。居心地は悪くない。

夜が明けてくるとチャイ屋が「チャーイー!チャーイー!」と脳髄に刺さる声色で車両を練り歩き始める

ほぼ定刻通りにプリー駅に着。列車で隣のベッドだった日本人青年とサイクルリキシャ(自転車で引っ張る人力車)をシェアしてサンタナロッジへ。
サンタナロッジは部屋タイプに関わらず、1ベッド150ルピー(二食+チャイ二杯付き)というお得な宿で、日本人向けの料理が食べられる。プリーは特に何も無い、海には砂浜が広がる漁師町なので体調を回復させるにはもってこいだ。

宿の二階から。

宿の近く。

アンチ・マサラ食をとり続けて体調回復。ちょっと散歩してみる。写真は海水浴場側の砂浜。

こちらは漁師町側の砂浜。至る所に人糞が設置してあるので気が抜けない。無事生還するには人糞探知機が必須。
海から漁師町を通って大通り(小さい)へ抜けてみたが良い感じだ。子供は「チョコレート!チョコレート!」か「1ルピー!1ルピー!」と言ってずっとついてくるし、いきなり「俺を撮れ!」と撮影を要求してくるおっさんやら、ゴミ溜めを漁る野良牛やらいろいろ。

民家の玄関にはチョークで書かれた魔除けの落書きぽいものがある。

狛犬みたいなやつ。

狛犬みたいなやつ2。

男前。

下痢が止まって食欲も大幅回復。明日は自転車を借りて少し遠くまで行ってみようかしら。それと次の目的地も決めないとな。


【プリーで療養中2】

サンタナロッジの飯がうまい。毎日、唐揚げのトマト煮とか野菜かき揚げ定食とかを食べている。昨日の夜は久しぶりにカレーを食べた。もう完全に復調したと言っていい。ただ大衆食堂のカレーに耐性ができたかどうかは分からない。

昨日今日と切符を買いに行った。
切符を買うためには行き先を決めなければならないが、これが結構悩んだ。ハイダラバードかバンガロールに行こうかと思っていたが、調べてみると街が大きいだけで観光向きではなさそう。インド南部はほぼノーマークだったので一から情報収集する。で、結果として次の行き先をマハーバリプラムに決めた。チェンナイより少し南に行った小さな町。

行き先が決まったので駅まで切符を買いに行く。
宿の近くで自転車を一時間あたり5ルピーで借りて、僕がまず向かったのは駅ではなくジャガンナート寺院。

写真では小さくて分かり辛いが、ジャガンナートはヒンズー教の神々の中では異色のデザインだ。もともとこの辺りの土着神だったものがヒンズー教に取り込まれ、何番目か忘れたがヴィシュヌの化身として定着したらしい。ジャガンナートの刺繍を売っているおじさん達は暇そう。

----- 中略 -----

異教徒は寺院内に入れないので外を一周してみる。

ジャガンナート発見。

南側の門。門から内部をジロジロ覗いてみたが、どうやらここは凄そうだ。大きな塔を中心にしたこの寺院は規模が大きく、雰囲気も外から見ただけで聖域特有の迫力で満ちている。建物内部はきっと内臓にプルプルくる熱気が充満しているのだろうな、と門前の売店でインド先輩達とインドのコーラを飲みながら一人ニヤニヤ考えていた。

ええ感じ。

寺院前の通りの喧騒を抜けてプリー駅へ。田舎の駅は小さい。

駅舎に隣接する切符売り場。小さい駅には外国人窓口が無い様なのでインド先輩達の割り込みを阻止しながら自分の番を待つ。
壁に貼り付けてある時刻表を見るが良く分からず、これといって下調べもして来なかったので切符売りのおじさんに尋ねる。僕の行きたいマハーバリプラムまでは、まずプリー駅からブバネーシュワル駅まで行ってチェンナイ行きに乗り換え、マハーバリプラムには鉄道が通っていないのでチェンナイからはバス移動になるらしい。そして22日の便は満席だったので23日に。さらに寝台の上段が取れず中段に。で、宿に帰ってプリーからブバネーシュワル間の切符を売ってもらってない事に気が付いたので、今日も駅へ行って切符を買った。

ジャガンナートのイラストをあしらったキラキラおしゃれボールペン(青インク)4ルピー。ノック式で芯を引っ込めるのに慣れが必要。駅で切符を買うには、用紙をもらって行き先や個人情報を記入しないといけないが、筆記用具を忘れたので駅前の露店で買った。駅では貸してくれない。


【プリーで療養中3】

無事ブバネーシュワル行きの切符を買えたので、町外れの小さな寺院に寄ってみる。

ガネーシャぽいがオレンジ色の何かを塗りたくって原型をとどめていない。そこが良い。

----- 中略 -----

良いニヤリ

インドの寺院には楽しくて神秘的なものが沢山ある。

白牛(力作)

黒牛(力作)

レンタサイクル屋のおっちゃんの本業は服の仕立屋。

カッコ良い俺を撮れ、と言って小綺麗な服に着替えてキメ顔。

----- 中略 -----

明日には乗り換えあり24時間程度の鉄道移動が控えている。インドの鉄道は数時間遅れ当たり前らしいから何やら楽しいことが起こりそうな予感。

つづく
----------------------------------------------------------------------


小銭メモ
インドで少額の買い物をする際、前もって十分な小銭を用意しておく必要がある。
ATMでインドルピーを引き出すと500か1000ルピー札の束が出て来るが、少額の買い物でこれらの高額紙幣を差し出すと受け取りを拒否される。つまり売ってくれない。
小額紙幣で支払っても店側にお釣りが無い場合、丁度で支払えなければ売ってくれないことも。
切れ目や欠損のある紙幣は無価値とみなされ受け取りを拒否される。
インドルピーは質の悪い紙を使っているし扱いも雑なのでやぶれやすい。
この様な「使えない札」はお釣りに紛れ込ませて客に押し付けたり、支払いに混ぜて店に押し付けたりとババ抜きの様に人から人へ渡っていく。
破れ札を掴まされても「これヤブレてるよ」とその場で言えば交換してくれるので、お釣りを受け取ったら即チェックするべき。

2021年8月22日日曜日

探検のすゝめ〈戦闘編〉アービトレイターで行くDED4/10とか

「一桁大きい金額で買い注文を出した時の顔」  香港 沙田萬佛寺にて 撮影:Jitaの穴

で、おなじみのJitaの穴っです!

今回はアービトレイターでDED4とかの攻略についてです。

DED4の基本攻略は『探検のすゝめ〈戦闘編〉T1巡洋艦とかで行くDED4/10とか』を読んでください。


【アービトレイターのDED適性】

アマーのT1巡洋艦でDED向きなのはこれだと思います。
オーメンとモーラーはレーザータレットがメイン火力で、サーペンティス、ガリスタス、エンジェルに対して最適の属性にできないのと、サンシャとブラッドに対してもFitが制限されてしまい、若干決め手を欠く印象があります。

アービトレイターはスタッバーの様にFitパターンが豊富で、全てのDED3,4を攻略できるので今回ご登場いただきました。

PVPではニュートFitの採用率が高めの印象ですが、ミサイルはもちろんタレットを積んでみるのもありな気がするし、タンク方式もアーマーだけでなくシールドタンクも実用レベルのスペックになります。

アマー派のドローン愛好家に特にオススメの巡洋艦です。


【アービトレイターFit】

注:シールドやアーマーのハードナーで派閥品にしている物はT2品より値段が安かったからです。場所によって金額が変わるのでT2相当かそれ以上のモジュールも調べてみて、安くて強力な物があれば積極的に採用してください。
また、スタッバーと同様にFitパターンが多いので、各Fitでなるべく内容が被らないようにしています。掲載しているFitがベストというわけではないので、これらのパターンを踏まえつつ我流のFitを考案してみましょう。
Fitはなるべく低コストにしてあります。少し予算を追加するだけでより良いスペックになるものもあるので検討してください。
熱心なアマー信者であれば「Pax Amarria」は必携になります。

サンシャ&ブラッドDED ヘビーミサイル アーマータンク
一番無難そうなヘビーミサイルです。
特にブラッドDED4は第二ポケットでステイシスタワーやニュート艦との距離をキープしたいので、遠くまで飛ぶヘビーミサイルがオススメです。
攻略に慣れたらレジモジュールを火力アップに換装しても良いかもです。
ドローンベイの空きは予備を積んだりお好みで。

サンシャ&ブラッドDED ラピッドライト アーマータンク
ランチャーをラピッドライトミサイルにしただけでも使用感が変わります。
小型艦が多いサイトをメインで攻略するなら特にこちらをオススメします。
タンク性能をそのままにMWDを積める余裕があるのも良いところです。
MWDを切った状態でキャパシタが安定しているか確認しておきましょう。

サーペンティスDED ヘビーミサイル アーマータンク
サンシャ&ブラッドのレジを変えただけです。
サーペンティスDED4には対ボス用にインフェルノ・フューリー弾を持参してください。

ガリスタスDED ラピッドライト シールドタンク
シールドタンクにして高火力にしてあります。
ドローンアンプてんこ盛りにしていますがバリスティックコントロールも混ぜた方が火力が高いと思うので、モジュールの構成をいじってみてください。
ドローン系のリグはドローンの移動速度を上げる物です。
これをCPU強化に変更すればある程度Fitに余裕が出ると思います。

エンジェルDED ヘビーミサイル シールドタンク
ガリスタス用のFitを元に、レジを対エンジェル向きにしてヘビーミサイルを積みました。
リグでCPUを強化したFit例です。


【アービトレイターでFPK】

ドローンと弾薬はとりあえずの物にしているので、弾は必要な物を複数、ドローンは好みで構成を変えてください。

ニュート
PVPFitのアービトレイターはニュートを積んでいることが多いと思うので、まずは強ニュートタイプの一例です。
ニュートをがん回しにする時はキャップブースターをオーバーロードさせれば、キャパシタは割と持ちます。
相手のキャパシタを空にしてドローンでじわじわ削っていく戦い方です。
ハイスロットは全てニュートでも良い感じ。

ラピッドライト アクティブアーマータンク
FPKで使うのに無難そう。
全モジュールがん回しにしてもキャップ安定。

XLASB
XLサイズの補助シールドブースターFit。
Mサイズニュート以外にキャパシタ消費が激しいモジュールは無いので、ニュートをクルクルさせてもキャップの持ちは良い感じです。
速度が遅く、相手に逃げられそうなのが不安。
ニュートを小型、パワーグリッドのリグをCPUにして、MWDとワープディスラプターを積むと良いかも。各モジュールのメタレベルを調整すればハードナーをT2にできるはず。

シールドバッファタンク ヘビーアサルトミサイル
こちらもキャパシタに優しいFitなので十分ニュートを回せる余裕があります。
使い辛いかもですが、戦い方次第でヘビーアサルトミサイルもアリなのでは?と個人的には思います。
ラピッドライトの方が無難。
リグも好みで変更してください。

2021年8月17日火曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその1

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
-------------------------------------------------------------------------------------------

【インド生活始めました】

コルカタに来て二泊目の今日、バンコクでの日々が遠い日の話の様な、と言うか記憶が薄れつつある。
なぜならインドが予想以上に快適だからだ。

二日前、バンコクを飛び立ったエアアジアの小さい旅客機がコルカタのチャンドラ・ボーズ空港に到着したのが正午前。空港の外のドアマン付きのATMでインドルピーをおろす。15,000ルピー(約24,300円)。その後、プリペイドタクシーのチケットを買いに建物内に戻る時にガードマンに止められて「お前は中に入れない」という彼らを説得するはめになったが、トラブったというわけでもなく案外あっさりと事が運んでいく。
タクシーでの行き先はDum Dum駅。安宿が集まるサダルストリートまで直接行くのが楽だが、僕は早速インドの鉄道に乗ってみたかったのと、単に「ダムダムステーション!」て言いたいからだった。タクシー代が、サダルストリートまでが250ルピーくらい、ダムダム駅までが150ルピーで駅からサダルストリート付近のパークストリート駅まで6ルピー、とお得なのも良い。
プリペイドタクシーのチケットを買って表に待機している黄色いタクシーの運ちゃんに声を掛けゴートゥーダムダムステーション。
タクシーの運ちゃんは僕より二つ若いのにおっさん顔なんだけど、三度の飯よりエロ話しが好き系の面白い奴だった。僕がエロ話しの弾幕を掻い潜る様に「ビリー(インドの安葉巻)が好きなんだ。いくらで買えるの?」と言えば「だいたい1パッケージ5ルピーだな。」と答えて彼のビリーを一本くれるし、「チャイが好きなんだ。いくらで買えるの?」と言えば「3~5ルピーくらいだな。」と答えて「一緒に飲むか?奢ってやるぜ!」とタクシーをチャイ屋の正面に路駐して僕のファースト・チャイinインディアを奪われた。

左が運ちゃん、右がチャイ屋の女将。運ちゃんが奢ると言うのを制止し強引に僕が奢った。生姜無しだったので少々残念。

エンジンを始動させるのに配線を抜いてセルモーターを回す式(壊れているだけ)のタクシーは順調にダムダム駅の手前50メートルに到着。「もう少しお金をよこせばサダルストリートまで行ってやるぜ!」と言う運ちゃんに笑顔で別れを告げ、駅舎まで歩く。が、ダムダム駅がよく分からん。地下鉄なのに線路が地面より高い位置にあるし、改札じゃない所からもホームに入れるので切符売り場を見つけるのに遠回りしてしまった。線路が高い位置にあるのは始発駅だし陸上に駅舎を建設した方が低コストだからだろうか。いい感じにボロくて不思議な駅。それと、バンコクの紀伊国屋書店で買った地球の歩き方-インド編(関税の関係か1050バーツ、約2800円もする)に書いてある「コルカタに来たら、インドで最初に開設されたメトロ(地下鉄)に一度は乗ってみたい。A/Cも効いてるし、驚くほどきれいなうえ常に窓口に係員がいるので安心だ。」はインドの他の鉄道が地獄の様に汚いか或いは嘘である。しかしながら道を尋ねれば親切に教えてくれるし、窓口でもたついていると英語が話せる人が仲介してくれたりと優しいインド人が助けてくれるので安心?だ。

チャーハン(40ルピー)。旅行者向けの店ではスプーンやフォークが出るようだ。普段地元客しか来ない食堂ではそれらが無いので素手で食べた。手でご飯とカレー(カリーと言うべきか)をまぜまぜして食べるのは良い。うまい飯の食い方である。

インド旅行者には面白い人が多いようだ。宿のホテル・パラゴンで何人かの日本人や西洋人と話しをしたが、皆ノンビリしていて人当たりが良く、何より個性が濃いめ。これからのインド旅行に期待をせざるを得ないほど宿も良い雰囲気。

陽気なモヒカン友達(散髪中)



インドはカオスとよく聞くが、ここコルカタにおいては非常に穏やかな印象を受けた。街から全くストレスを受けないのだ。気温はバンコクより低いし湿度も低いのでとても快適。親切インド人を装って近づいてくる詐欺師も分かりやすいので暇つぶしに良い。飯もうまい。インドは人によって好き嫌いがはっきり分かれると聞くけど、嫌いになる要素が僕には見当らない。

部屋のスイッチ達

宿の近所のチャイ屋。ここも生姜無しだが美味い。

----- 中略 -----

インド博物館の入場料は150ルピー、カメラ持ち込みが50ルピー、なのでチケット売り場でカメラを持ち込むことを告げ200ルピー支払う。これが失敗だった。実はカメラ持ち込みのチケットは受付が別で、博物館に入って左側の離れた所にあり、僕はまんまと50ルピーを奪われた。この事に気づいたのは館内に入って一時間後で、展示品を撮影する僕を「お前カメラ撮影の許可証を持ってないじゃないか」と言ってきた係員によってナンダッテー!となったのだった。
受付で抗議する僕に何人かのインド人が助太刀してくれたが時既に遅し。50ルピーは戻らず、追加で50ルピーを支払った。「ここはインドだ。騙してくる奴は一杯いる。気をつけろよ。」と忠告してきた奴が「お前ともっと話しをしたいからチャイ奢るよ。俺の店に行こう。」と民芸品屋に連れ込んでさらに騙そうとしてくるからインドは面白い。


【インド生活始めました2】

コルカタの気候が良いせいか睡眠時間が長い。僕の部屋は太陽が出ても陽の光があまり入らないので余計に眠り続けてしまう。外から聞こえるクラクションや人の声の賑やかさも、中国のそれを思い出すようで、むしろ心地良い。

今日はサダルストリートから近いニューマーケットという市場へ買い物に行った。写真は肉売り場。その他、果物、野菜、衣類、お土産物などいくつかの区画に分かれていて、ここに行けばだいたいの物が揃っている感じ。

僕はまずこの織物を買った。大きさはシングルベッドのシーツくらい。列車移動や宿で寒い時に体を包む物があると重宝すると聞いていたから。
店のおっちゃんの言い値は1500ルピーだが、僕は400ルピーで押し通した。そんなに粘る事もなく5分くらいで400で良いよとなったので、相場より少々高めで買ってしまったかと思ったが、チャイ屋で隣に座ったおじさんに「あんただったらこの布いくらで買う?」と尋ねると「500くらいかな?」と言っていたので良い買い物をしたようだ。
念入りに手洗いしても色落ちしない。それにデザインがカッコ良いのでとても気に入っている。
これを売ってくれたおっちゃんは僕を気に入ってくれたみたいで、わざわざ使いを走らせてちゃんとしたティーカップに注がれたチャイをどこかの店から取り寄せてくれた。睡眠薬強盗を警戒して飲まなかったが、行き場を失ったそのチャイを買って来てくれた青年が美味しそうにちゅうちゅう飲んでいたから100%善意のチャイだった。でもインドで「まあ飲め」と出されたチャイは飲まないのが無難だろう。特に土産物屋関係の店舗の奥まった場所では。
店のおっちゃんとしばらく話しをしてから果物売り場へ行き、オレンジを1㎏60ルピーで購入。これは値切っていない。高いのか安いのか分からんが、うまいので良いかという感じ。今度試しに値切ってみようかしら。

サダルストリートからマザーハウスへ向かう道で第一インド野良牛を発見。コルカタは野良牛があまりいないみたい。

道端の公衆浴場?で体を洗うインド先輩達

今日はフラフラと散歩してみたが非常に良い感触だ。コルカタはこれといった観光スポットが無い所みたいだけど、インドの空気に体を慣らすのに良い街だと思う。


【インド生活始めました3】

体調がよろしくない。体に力が入らず気怠い。便秘気味でお腹が張っている。どうやらマサラの洗礼を受けているようだ。排便するとましになる。

本日最大のミッションは切符を買う事(最近こういうの多い)。体を動かせばお腹の調子もましになるかと、結構遠いがハウラー駅まで歩いて行くことにした。
宿から西へ向かい、川に沿うように敷かれた線路(ハウラー駅とは繋がっていない)に出た。地図によると対岸のハウラー駅までフェリーが出ているはずなので、北に向かって線路を歩く。非常に臭い。人糞が沢山落ちている。インドには野糞文化が残っているらしく、手桶(お尻を洗う用)を持っていずこかに用を足しにいく人々の姿を見るという。しかしなぜ線路にするのか。

やっと見つけたフェリー乗り場は、わざと目立たないように作ってあるのかと思うほど。隣のガート(沐浴場)では沐浴と言うより水遊びをしている。川の水は汚い。

運賃4ルピーのフェリーは中々心地良い。川は汚くても清々しい風とゆっくりと流れる景色が爽快だ。
船はハウラー駅の正面に到着。駅舎に入り外国人用の窓口を探すが無い。大きな駅には外国人専用窓口があると昔何かで読んだ気がするんだが、と思いながらインド人が並ぶ窓口に。
並ぶと言っても並んでねえ。窓口にたかるインド人。こちらも強引に押し込んでいかないと永遠に自分の番はまわってこない。人気のチャイ屋みたいになっている。ダムダム駅ではきちんと並んでいたのにな。
自分の番を獲得して受付のお嬢さんに行き先と列車番号を書いた紙を見せる。「明日の便で」と言うと空きが無いとの返答だ。ウェイティングリスト(キャンセルが出しだい席が確保できる)にするかと訊かれて考えていると、外国人専用窓口に行けば席取れるかもよ、とお嬢さん。「僕はそいつを探していたんだ。どこにあるんだい?」「川の向こうよ。フェリーで近くまで行けるわ。」お嬢さんは場所を紙に書いてくれた。
川にはいくつかの桟橋があり、それぞれフェリーが運航している。どれに乗れば良いのか分からないので、そこらにいるインド先輩達にメモを見せて意見を伺う。できれば3人以上に尋ねたい。インド人は中国人と同様に、例え道を知らなくても「知らない」と答えるのを相手に申し訳ないと考えるらしく、とりあえず「向こうだ。問題ない。」と言う。
教えられた船に乗り、念のため船頭さんにも確認をして安心。無事対岸のそれっぽい場所へ到着。「ER」と書いてあるイースタンレイルウェイの大きなビルの外国人専用窓口へ。
まず窓口の机のどこかに置いてある申請用紙を取って記入。申請用紙には手書きで数字が書いてあり、番号の若い順で呼び出されるので自分の番がくるまで椅子に座って待機。という流れ。
ハウラー駅では売り切れだった3/18発プリ―行きスリーパークラスがここでは余裕で買えた。外国人用に前もって席をよけてあるのかしら。

切符を無事確保できたのでとぼとぼ歩いて帰ったが、どうもお腹の調子が悪化しているように思う。このまま下痢に発展しそうな予感。

ボコボコの警察車両
つづく
-------------------------------------------------------------------------------------------
以下その他の写真。





値切り交渉メモ
激しい値切りバトル中に「日本円で100円くらいなんだからそれで良くないっすか?大人気無いですよ。」と割り込んでくる学生風情に対しては「そういうこっちゃねぇんだよ。失せろクソガキ」と言うことにしています。