2021年9月23日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその6

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【カニャークマリ→ムンバイ鉄道旅行】

宿のオーナーに午前四時半にチェックアウトすると昨夜伝えておいたら、四時前にわざわざ僕を起こしに来てくれた。信頼できる爺さんだ。電撃ネットワークのプロディジーみたいな人と写真家の荒木さんを足して二で割るのを忘れた感じの外見だ。滞在中は何かと世話を焼いてくれた。後でモーニングコール代として10ルピーの請求があったが。

十分に時間があるので駅までとぼとぼ歩いて行く。宿を出たのは4:20だが、すでにチャイ屋は営業しており、客がチャイをうまそうに啜っている。何時から営業しているのだ?

駅に着いて、切符売り場の隅っこに設置しているタッチパネル式のマシーンを使って、自分の車両と座席番号を確認する。この機械はインディアン・レイルウェイズのホームページと同じ仕様になっていて、予約状況の確認や時刻表の検索もできて便利。

定刻通りに発車。さっそくやって来たチャイ売りからチャイを買う。路線によってコップの大きさがまちまちだが、今回は5ルピーで量が多め。だがこの一杯目だけ10ルピー取られた。単にお釣りが無かったとかではなく、「なぜ5ルピーなのに10ルピー取るのか?」と尋ねたらタミル語?で何やらごにょごにょ言いながらチャイのタンクにまじないの様な仕草をしていた。ファーストチャイを飲む客はチャイの神様に5ルピーを捧げる決まりになっているのか。(3/31 5:46)

駅弁のマサラドーサ、30ルピーでうまうま。(7:32)

今回の僕の座席はサイド・アッパー・バース。寝台車両は進行方向に対して横向きの三段ベッドが一対と通路を挟んで縦向きの二段ベッド1つが一区画になっていて、僕のは二段ベッドの上段だ。もしかして一番良い席なんじゃないか。

三段ベッドの下段はすでに超密着状態になっている。(7:43)

僕の席は車両の端っこだから乗り降りする客が良く見える。長距離列車とはいえ1~3駅程度の短距離で下車していく人も多い。大きな駅では半分以上の乗客が入れ替わる事もある。
しかしなんだ、下車する時にホームの反対側ドア(ドアは走行中も常に開けっ放し)から線路に降りていく客がちらほらいるのは。切符を持ってないから改札を通れない系のインド先輩達か。インドの駅は改札があってもほぼノーチェックだから、その気になればキセル乗車余裕。(8:06)

バナナの天ぷら30ルピー。一個食いかけ。チリソースを付けて食べるとうまい。(12:11)

現時点でチャイ×2、コーヒー×1。列車で販売のチャイはほとんどが熱い砂糖ミルクに紅茶のティーバッグを突っ込んでホイッと出されるが、コーヒーはちゃんと淹れているのか。それともインスタントか。いずれにしても美味いからどっちでも良いが。味はチャイの紅茶をコーヒー豆に変えただけ。どちらも5ルピー。(14:46)

また食っている。あまり味のついていないピリ辛ドーナッツにカレーを付けて食べる。うまいとは言えない。18ルピー。
列車ではする事が無いので食うか飲むかだが今は重要な役目があって、二歳ぐらいの女の子が僕を見ると泣き止むらしく、女の子が泣き出すと爽やかスマイルであやす任務についている。
と、いきなり雨だ。インドは今乾季なので珍しい。蒸し暑かったのが突然涼しくなった。(17:14)

夕飯は注文を取りに来てくれる。ベジ・ビリヤーニ(40ルピー)をチョイス。ベジはベジタリアンのことで、信仰する宗教によって肉類が食べられない人用。店によってベジの方がうまかったりすることも。これはしょっぱくてマズかった。(19:44)

どこかの駅に停車中。こんな時間でもホームではチャイ屋が営業している。インドで最も偉大な職業はチャイ屋かもしれない。(4/1 3:46)

水不足になっている。というか水切れだ。歯磨きする人とかトイレにいく人は往生している。給水ポイントはどの駅だ。(8:02)

マサラドーサで朝食。袋にカレーが入っている。45ルピーもした。同じ人が売っている同じ内容の弁当の価格が大きく変動するのはなぜだ。
駅で停車中に給水作業があり、列車の水不足が解消された。(8:40)


信号待ちか。よく何も無い所に止まる。アラビア海沿いに北上するルートのはずだが海は見えない。時々ヤシ畑やバナナ畑があるくらい。(10:03)


【カニャークマリ→ムンバイ鉄道旅行2】

初めてネパール人と間違われた。「アーユーネパリー?」。(11:08)

駅名から察するに、海岸沿いではなくデカン高原の西側を北上中か。空気が乾燥気味で緑が減った。(12:13)

駅のホームを建設中?

昼食はエッグビリヤーニ。可もなく不可もなし。50ルピー。

岩を雑に積み上げたみたいな山ばかりだ。しかも暑い。(13:17)

きつい陽射しに車両が焼け付いて遠赤外線グリルされているがごとしだが、湿度が低いから気温の数値よりも幾分か楽だろう。しかし陽射しが当たってないベッドまで熱くなっているのはどういうことだ。どういう原理でほぼ宙に浮いた状態の僕のベッドが熱せられるのだ。遠赤外線効果か?
いつか言ってみたいカッコ良い台詞に「こいつはまるで動く棺桶だぜ!」というのがあるが、それを言うレベルには程遠いし、日本語が理解できる人が周りにいないので使えず。(14:42)

暑いから食うしかねえ。サモサとシシトウの天ぷら。サモサ2個で15ルピーだが、20ルピー札で支払ったら「5ルピー無いよ。お前持ってない?じゃあ5ルピーのシシトウつけとくわ。OK?」に対してOKと答えた。
サモサはカレーで味付けされたジャガイモを小麦粉の生地で三角形に包んで揚げた物。インドのオヤツの定番だ。(15:50)

暇だ飯はまだか。もうそろそろ列車に乗って40時間じゃね?カニャークマリ→ムンバイ間は2135kmと切符に書いてあるので、だいたい47時間として平均時速45km程度か。途中駅の停車時間を差し引いても平均時速は50kmに達しないだろう。トップスピードは60kmくらいじゃなかろうか。なにせ前後一両ずつのディーゼル機関車で20両以上の車両を動かしてるから、これ以上速く走られると危ない(19:17)

夕飯はチャパティとチキンカレー。肉が大きくて美味しかった。車内販売の食品は割高(チャイは除く)だが、これは満足できる味と量。と思いきや75ルピーだとぬかしやがる。60ルピーで約100円だから、125円くらいか。高い。インドで100円超えの飯を食う時は「今日はちょっと奮発しちゃうぞ!」な時。うな重を食べるレベル。駅のホームで売っている弁当の方がコスパ高めか。(20:07) 

結構時間通りに運行している様だし、ムンバイ着が5時前なので早めに寝たいが車内はまだ暑い。車両が焼け付いた昼過ぎから小さいゴキブリちゃん達がカサコソと這い回っている。多分天井や壁の裏側が暑過ぎて避難して来たのだと思う。目障りだが害が無いのでどうでもいいが、それにしても早く涼しくなってくれないと寝付けない。(21:41) 

やや遅れ気味だがもうすぐムンバイに着きそう。(4/2 4:43) 

着いた。(5:01) 

駅のベンチでチケット窓口が開くのを待っている。チャイが4ルピーでうまうま。サモサ食べたい。
美人率が飛躍した感があるが、ずいぶん北に来たからアーリア系の血が濃くなったのかな。
そう言えば後少しで乗車時間が48時間に達するところだったのに惜しい。もう少し遅れてくれたら「いや~、この前丸二日間列車に乗っちゃってさ。」と自慢話しできたのに。(6:31)

クッキーとチャイ二杯目。この手のパッケージは抹茶味という先入観。インドで抹茶味な訳がない。インドのレストランで食後に粒の砂糖と一緒に出てくる妙なハーブみたいな風味の何かの種の味がする。そこそこ美味しい。(7:17)

寝起き女子。眠そうだったが決めポーズで1ショット。(7:35)

アウランガバード行きの切符を購入。切符裏面の広告が素敵。インドのお菓子やペットボトル等のラベル、看板、紙面広告等、文字間を均等に見える様に詰めたり画像の解像度を気にしたりしない。とにかく具さえ入っていたら盛り付けなどどうでも良いというザックリ感がインドをより味わい深いものにしていると思う。日々激務をこなしている広告代理店のデザイナーが見たら発狂するに違いない。 
さて13:50発の列車まで何をしようか。(8:12) 


【ムンバイ→アウランガバード鉄道旅行】

暇なので僕のバッグを。25ルピーでカニャークマリの雑貨屋で購入。ナマステ。(8:18)

----- 中略 -----

世界遺産のムンバイCST駅。

ムンバイに一泊すべきだったか。街はかなり面白そうだ。

さとうきびジュース。ライムを絞ってうまー。10ルピー。後ろに写っているのがさとうきびジュース屋(裏から)と店長?の兄ちゃん。

ムンバイCST駅のレスティングルームのトイレではなんと体が洗える。当然地獄の様に汚いが、自分の体が綺麗になるので問題無い。
脱いだ白い服の背中が茶色くなっていた。列車は窓もドアも基本開けっ放しなので、乾燥地帯を突っ切ると土埃が車内に入ってきて、そんな中でゴロゴロしているものだから衣類が汚れる。
綺麗な服に着替えてサッパリ。携帯の充電をしながらくつろいでいると、レスティングルームに警備員が入って来て怪しい奴の切符をチェックし始めた。ここは切符を持っている人のための場所だから切符が無いと入れない決まりだ。警備員が見えるとそそくさと何食わぬ顔をして立ち去るインド先輩が数名。内一人が捕まり説教を受ける。今までの駅ではノーチェックだったのに、ここは取り締まりが厳しい。さすがインドNo.1の大都会だ。

サモサ4つとチャイで朝食兼昼食。チャイは当然としてサモサも安定。今のところハズレ無し。(12:27)

列車が13:50に発車してから近くの席の若いインド人達とずっと話し続けている。チャイを奢ったら奢り返された上にサモサまでご馳走してくれた。ペットボトルの水をシェアして回し飲みをするのも初。面白くて一気に時間が過ぎたが、アウランガバードはまだ遠い。(16:39)

デカン高原ぽい景色?台形の山ばかりだ。硬い地層が頂上に残り、台地を形成していると思われ。
荒涼とした乾燥地帯が続く途中、一面にぶどう畑が広がる農地の一画にワイナリーがあったり。
インドの酒は侮れない。コルカタで飲んだインド産のラム酒は良い味をしていた。ワインも美味しいかもしれない。でもインドは州によって法律が異なり、ひっそりと営業する酒屋で鉄格子越しに紙袋で包まれた酒を買い、隠しながら家に持ち帰ってチビチビ飲まないといけない地域もあるようだ。そんな所では公衆の面前での飲酒は禁止されており、バーは無く、酒税もかなり高いと聞く。(19:03)

後ろの座席の女の子が手にヘナで模様を描いていたので親父さんと一緒に撮らせてもらった。祝い事の時に女性がするものだったと思う。質の良い服を着ていたし、親族の婚礼でもあったのだろうか。(19:34)

時刻表では20:35の到着のはずが、またもやアウランガバードにも20:20と早く着いてしまった。ずっと一緒に話していたインド人の若者4人と別れの挨拶をして宿を探しに出る。
駅を出た所でたまに会話に参加してきたインド人の青年が寄ってきて「宿は決めてあるのか?」と訊いてきた。僕はこの界隈では安くて安全そうなYouth Hostelに行きたかったが、地球の歩き方にチェックインは20時までとあったので、取り敢えず一泊目は適当な宿に飛び込むことにしていた。でもそのインド人曰く問題無いらしい。一緒に歩いてユースホステルまで行くことにした。
ホステルの門は閉じていたが問題無くチェックインできた。120ルピーのドミトリー。ここは男女別にドミ部屋があり、男子部屋には中国人男子が一人いたがすぐチェックアウトしたので10ベッドの広い部屋が貸切状態になった。建物はボロいがノミやダニ、特に南京虫がいないので問題無い。これが最も重要な条件であり、これさえクリアできれば建物が古かろうが関係無い。

一緒に来たインド人だが、彼は近くに妹の家があるらしく、そちらで宿泊するのだそうだ。
親切なインド人かと思いきや、あながちそうとも言い切れなかったりする。水を買いに外出した際に再び彼と遭遇し、一緒に飯を食いに行くことになった。で、食堂のテーブルに着くなり「お金を持ってないんだ」とか言い出す。こいつのおかげで300ルピーの宿に一泊しようとしていた僕が120ルピーの宿にチェックインできたから感謝しているが、この手の下手に出たタカリは気に食わない。一人二品で40ルピーの安食堂だったので支払ってやったが飯が不味くなった。
翌日エローラへ一緒に行こうと誘われたが、きっぱり断っておいた。連日の列車移動で疲労が溜まっていたので明日は休暇日にしようと思っていたし、これ以上こいつと一緒にいると面倒なドラブルが確実に発生しそうだからだ。妹の家に泊まっているのに夕飯が出ないとか怪しすぎる。どこまで本当なのか分からん。

宿に戻って管理人の爺さんに宿泊費を払う。4泊で480ルピーだが、一泊目は70ルピーで良いと言う。そのかわり帳簿上では三泊した事にし、本日の一泊目は無かった事にしようと言うのである。つまり爺さんが70ルピーを懐に納め僕も50ルピーお得、という闇取引を持ちかけてきた。当然OKだ。ノープロブレム。
彼は下働きの管理人で、マネージャーが他にいるらしいので「この事は内密に」と釘を刺された。

つづく
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以下その他の写真とか。

カニャークマリ→ムンバイで信号待ち中。どこかの駅のホームの風景。

ムンバイCST駅。良い感じに画面に納まるポイントを探すがなかった。どこから撮影しても何かが邪魔になったり近すぎたり。

ムンバイの下町。これまでに訪れたインドの街で圧倒的な人の多さ。


ジェスチャーメモ
インド人は顎を左右に振る仕草をよくする。
分かりにくいかもしれないが、顔を正面に向けたまま顎を振り子のように揺らす感じ。
意味は日本における「うなずく」で、合意や了解の意。
「これでいい?」「そうそう(ふるふる)」みたいな。
これを集団かつ無言でされると奇妙に感じることも。ふるふる

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