2021年10月28日木曜日

バックパッカースタイルで行くEVE Online(インドその11

EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7

※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【マクロードガンジの】

ガイドブックにダル湖は散歩に最適とあったので行ってみる。


途中のレストランでチョーメン40ルピーとチャイ6ルピーとマトン入りモモ(ハーフサイズ)35ルピーを食す。
値段の割に量が多い。モモなんかはこれの半分くらいだと思って注文したのに大きいのが9つも皿にのって出てきた。マクロードガンジは高地で交通の便が悪く、物資の輸送にコストがかかるためか物価が高い。でもここのレストランは安い。それに美味い。お腹パンパンで大変満足でございました。場所はダル湖の200m手前くらいだったと思う。シェフはインド人。

一時間以上かけて歩いて来たのに何という事だ。ダル湖は人造の小さな溜池じゃないか。静かな湖畔の森の影から♪みたいなのを期待してたんだが、せめて馬でモヤモヤした気持ちを誤魔化すしかない。

眉毛があるように見える。困ったウマー。駄馬のくせに僕を蹴り飛ばそうとしやがったが当然華麗にかわした。見かけによらずアグレッシブな奴。今期の「暴れん棒将軍」の称号はこの困ったウマーに与えることにした。

ダル湖に面した寺院の壁にあったんだが、これは誰だ。デフォルメしすぎて特定が困難なレベル。

写りが悪くて見えづらいが中央にアザミの花にとまっている蝶が二匹いる。昨日、結婚式会場付近で見かけたのと同じの。今日はダル湖へ行く道すがらずっと飛んでいた。蝶は低空をヒラヒラ飛ぶものだと思っていたが、これは3~5mくらいの高い所をヒラヒラするのが好きなようだ。

マクロードガンジではテントウ虫もよく見かける。ナナホシテントウに酷似しているがホシの入り方に魂が籠っていない。

時間は潰せたがダル湖には絶句した。怠いという意味でダル湖に違いないし、湖と名乗るには規模が小さすぎる。ダル池にしてしまえ!このダル野郎が!ハァハァ
ダル湖そのものよりも、そこに辿り着くまでの過程を目的とした方が良い。蝶を見れたし美味い飯を食べて馬に蹴られそうになったので悪くはなかった。

そう言えば一昨日、この抜群にカッコ良いストールを衝動買いしたんだった。この町は土産物のレベルが高い。あるいは僕好みの品物が多いと言うべきか。ウール素材の衣料品の質はこれまでで一番良いように思える。衣料品の買い物はバラナシまで我慢しようと思っていたが、なんせカッコ良いからウッカリ買ってしまうのも仕方がない。ウール&シルクの生地に手縫いの刺繍入りで650ルピー。

今日も寺院に声明と舞を見物に行く。実は昨日も行ったけれど17時に着いたら丁度終了してモンクの皆さんが本堂から退席するところだった。初回も同じくらいの時間だったが始める時間は大雑把なのかもしれない。そもそも毎日同じ事をやっているとも限らないし。なので今日は16:30に着くように行った。
本堂ではさっき始まったばかりという感じ。予想通り日曜日でギャラリーが多いのでモンク達も読経に気合が入っているようだ。楽器の音も激しい。良い感じだ。

後半に現れる鬼?は赤と紺(深緑かも)の二体。舞が加わるとより空間にテンションがかかる。イカス。

隣でブツブツ念仏だかマントラだかを唱え続ける白髪の白人魔女おばさんがうるさかった。こいつさえいなかったら声明の世界にもっと浸れたのに残念だ。インドの北部山岳地帯には瞑想を訓練する寺院やアシュラムが多いから、そこで中途半端に訓練して勘違いしたアジアかぶれの白人も目立つ。ほとんどが宿のベッドの上とかで黙って足組んで座っているだけだから害はないが、稀にこの様に害のあるのが居る。

困ると言えば僕が泊まっているドミトリー。7ベッドあるが僕以外は全員女性だ。毎日何人かずつ入れ替わるもこの状態が続いている。マクロードガンジへ来るだけあって皆もの静かで上品であり、ベッドの上に下着やら化粧品やらをぶちまいたまま外出するようなのはいない。寝る時も静かにスヤスヤ眠る。しかしこういう場合もこれはこれで気を使うので、お布団の中でも完全にリラックス出来ない日々が続く。


【マクロードガンジを】

マクロードガンジを出る。バスは17時発だから宿をチェックアウトした後、荷物を宿のレセプションに預かってもらい町をうろついて時間を潰す。
チェックアウトしたが、僕は最後までチェックインしなかった。普通はパスポートを提示し少なくともサインくらいは書く必要があると思うが、それらを一切していない。会話の中で日本人である事や名前(姓は名乗っていない)を喋っただけ。で、「チェックアウトプリーズ」と言って四泊分の宿泊料400ルピーを支払って終了である。大丈夫か。

まず腹ごしらえにmomo cafeに行く。表通りから狭い通路の階段を降りた所の小さな倉庫を店にしている。昨夜もここで食べたがモモがとても美味しい。この界隈で一番じゃなかろうか。
昨日はベジモモを食べたので今回はマトンモモを注文した。すると「肉屋にマトンがまだ無いから一時間かかるけど良い?」と言う。僕は暇なので問題無い。取り敢えずチャイを注文して待つ事にした。
この店からの眺めは良い。少々木が邪魔をしているがヒマラヤと山の斜面の町並みも見える。マトンの到着を待ちながら店長と雑談する。彼は21歳で1人で店をやっている。名前は確かアジョシュだったはず。モモの味は間違いないのに儲ける気がない彼は、奥まったこの場所に店を移転して気ままに営業しているようだ。

どれくらい話しをしていたのか、ヒンドゥー教の神々の物語やお勧め寺院などを聴いているうちに12時になっていた。入店したのが9時過ぎだったから僕は腹ペコだ。どうやらマトンは入荷せずまだ時間がかかるらしいので、ダル(煮豆のマサラ控えめカレー)をご飯にかけて彼と一緒に食べた。食後、ダルとビッグサイズのチャイ二杯分の代金を支払うが全部で60ルピーで良いと言う。マジで儲ける気がない。チャイは量で言えば一杯で20ルピーはとっても良い大きさだった。「僕は10ルピーもあればご飯が食べられるからね。沢山のお金は必要ないんだ。」と言っていたのは本気だったようだ。
僕はどうしても彼のマトンモモが食べたかった。「3時にもう一回ここに戻ってこようと思うけどマトンモモ作れる?」と尋ねたらOKが出たので、それまでネットカフェでインターネットなどをしてから宿で荷物を受け取って再度来店した。
マトンは無事入荷されたらしく注文と同時に手際良くモモを調理し始めた。蒸す時間が長いので20分くらいかかったか。目の前にお待ちかねのマトンモモがスープと一緒にトンと置かれた。

うまい。良い味だ。二種の辛子があってモモにちょっと付けて食べるとより美味しい。
ヒマラヤと山の斜面をヒラヒラ飛んで行く蝶を眺めながらジューシーなマトンモモをじっくり味わった後、バスまでまだ時間があったのでアジョシュからガネーシャの頭が象になった話しを聴かせて貰い、これをもってマクロードガンジ最後の楽しい一時は終了した。

アジョシュにこれと同じサイババシールをあげた。デリーで2枚セットの物を買って1枚いらないからあげたのだ。彼はさっそく店の神棚の所に貼った。

momo cafeを後にしてバス停へ向かう。行ってから気がついたが、大きなホテルの廃墟だと僕が思っていた物がバス停だった。

この階段を降りるとバス停。遠くからこの建物を見ると、壁がなくなって骨組みだけが残った建築物に見える。

デリー行きの夜行バス。フロントガラスにデラックスと書いてあるが良い冗談だ。あるいはインドではSEMIと書く事で全否定の意味になるのか。チケット売り場のおじさんにスリーピングバスかと念を押したのに普通の座席だったのもポイントが高い。いつも通り走行中は縦に鋭く振動するし、それに合わせて隙間風ビュービューの窓がけたたましく鳴る。インドは期待を裏切らない。

途中、夕食も兼ねた休憩でしばし停車。近くのトイレの男子便所入口に「ここが男子便所」的な文字の隣にこの絵が。これほどムカつく表情は中々描けるものではない。顔のパーツの絶妙な崩し方といいプロの仕事だな。

座席の狭さ、揺れ、騒音等を総合するとベトナムのフエ→ホーチミンに次ぐ疲労バスだった。走行時間の差でベトナムローカルバスの勝利となったが、今回のが24時間かかっていたらインドローカルバスに軍配が上がっていたかもしれない。17時にマクロードガンジを出発して翌6時前にデリー駅(ニューデリー駅とは別)近くのISBT(Inter State Bus Terminus)に着いたから13時間の移動か。

ISBTから地下鉄駅までの道にゾウ。木の枝をバッキバキに折って遊んでいた。ゾウを何に使うのか知らんがウンコで道が凄い事になりそうだ。そして飼い主はどこだ。辺りには路上でいつも寝ているインド先輩達しかいないが、まさか食費だけでもバカにならない巨大な生き物を彼らが飼っているはずもあるまい。

地下鉄でKashmere Gate駅からNew Delhi駅まで10ルピー。切符はトークンタイプ。車両はインドのくせに結構綺麗。改札やホームでは多くの軍人が警備しており、列車の中にも乗り込んで乗客をチェックする。この感じ、非常に中国と似ている。

地下鉄を出てからメインバザールへ行き、適当な宿を見つけてチェックイン。溜まった洗濯物を手洗いし(マクロードガンジの宿では水を水源からトラックで運んでおり貯水量に限りがあるため洗濯は禁止。ランドリーサービスはあったが高かったのでやめた。)、軽い朝食とラッシーを摂取した後、ニューデリー駅の外国人専用窓口にてバラナシ行きの切符を購入し、現在は宿でお昼寝から目覚めたところである。


【デリーからバラナシへ行く前に】

バスでデリーに着いたその日の夜にバラナシへ行ってしまおうと考えたが、運良く当日のチケットが取れずに出発は翌日となった。連続して移動を重ねると感じるよりも疲労が溜まる。休養は大切である。

二度目のデリーだが、前回同様特に観光する予定は無い。近場にラールキラーやクトゥブミーナールなどの観光スポットは沢山あるが、面倒臭いし入場料が高いのでそのうち。インドからネパールへ行ってまたインドへ戻り、その後デリー空港からトルコのどこかへ飛行機で行くと思うから、その前にインドルピーが余っていて、かつ気が向いたら行く。今日は行かない。

ゴロゴロし続けるのもアレなのでカーリー寺院に行ってみた。こぢんまりした寺院だが味のあるところだ。

中に入って拝んでいたらオデコにオレンジ色の粉をベッタリとつけてくれて、さらに写真の物を新聞紙の切れっ端に包んで手渡してくれた。中身はマリーゴールドの花と砂糖を固めたお菓子。内部に祀られた神々の像を観賞するのに夢中になってお布施をするのを忘れて出て来てしまった。貰いっぱなしだ。せめて10ルピーくらいは置いて来るべきだった。

猛烈に肉が食いたかったのでタンドリーチキンをハーフサイズ注文した。肉料理は高めで150ルピーしたが、美味いから財布の紐が緩くなる。まるごと一羽食べようかとも思ったが、腹八分目というやつで食い過ぎは良くない。一羽頼んでいたらゲロ吐きそうになっていたに違いない。

夜のメインバザールの風景を少々。これは雑貨屋。

土産物屋。

ちょっとつまむ系の屋台。

牛も活動中。

平日でも旅行者や地元民でごちゃごちゃしている。

そして常に汚い。

つづく
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その他の写真




のら牛メモ
「のら」と言うと捨てられて半野生化した牛の様に聞こえるが、街でフラフラしている牛にも飼い主がいるらしい。インドでは基本的に牛肉を食べないので、乳を出さない牡牛は何か役割があるわけでなく放し飼い(放置)され、結果、餌を求めてフラフラと街を徘徊している。

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