EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7
※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
『バックパッカースタイルで行くEVE Online(はじめに』を読んでください。
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【プリーからマハーバリプラムへ】
一歩も外へ出ることなく生活可能な大変居心地の良いサンタナロッジを後にし、プリーからマハーバリプラムへ移動開始。宿を出てすぐサイクルリキシャ(自転車タイプの人力車)でプリー駅へ30ルピーで。
ほぼ予定通り17時半にブバネーシュワル駅に到着。問題は21:35発のチェンナイ行きまでの4時間をどう過ごすかだが、これといって案が無い。荷物を担いだまま散歩するわけにもいかないので、駅前の露店でチャイを飲み、車内食用にバナナを一房買って駅内の二等待合室(一等は冷房あり)で時間を潰す。
----- 中略 -----
列車到着時刻40分前から焦る。駅の入口の電光掲示板を見ても何番ホームに着くのかよく分からん。列車のプラットホームの欄は全て「A」と表示されている。この駅は4番ホームまでしかないからまだましだが、にしてもハウラー駅発の列車が到着してブバネーシュワル駅を出るまでの15分間に自分の車両を探して乗り込む余裕があるとは思えない。ホームごとに設置してある電光掲示板にそのホームから発車する列車だけ表示してくれたら容易に特定できるのに、なぜか近々発車する全ての列車が表示されるので参考にならない。なので足を使って地道に聞き込み調査をする。
本日のベストすやすや。
軍服を着た軍人さん(インドでは鉄道が軍の管轄らしく、駅の警備は軍が担当。)や雑談中の駅職員や品の良さそうな乗客に僕の切符を見せて、どのホームで待つのが正解か確認。総合すると4番ホームが正しそうなので向かう。
20分遅れでやってくるチェンナイ行きの列車が到着する5分前から、ヒンズー語?とタミル語?と英語の三言語による放送で4番ホームに来ることが確認できて安心。インドは結構居心地が良いけど、列車に乗る時だけはストレス溜まる。
今回の僕の座席は寝台の中段。インドの三段寝台の説明をすると、上段は常にベッドとして使え、中段は寝る時に引き上げて鎖で吊るしてベッドになるが昼間は下段の背もたれ、下段は就寝時刻までは皆の座席。つまり寝台とは言え上段以外は起きているうちは座席車両と変わらない。それに上段の客も下に降りてくるし、ウェイティングリストで座席の割り当てが無いまま無理やり乗り込んで来た人や友達同士で一つの座席をシェアしている方々も存在するので、1つのシートに4人座ったりする。巨体のインド人が一人でも入れば密着状態だ。
と、こう書くと不快指数MAXと感じるだろうが、これがインド的助け合い精神で不便さを軽減する。上段の人が下段で座っている時、寝たい人が「オレ上で寝て良い?」と言えば「いいよ」と当たり前の様に自分の席を他人に使わせる。下段が二人の時は他人同士で添い寝も余裕。あと、昼食後は昼寝をする習慣があるようで、その時は中段をベッドにして皆寝よ~ぜ、になる。下段に座ってウトウトしていた僕に「お前眠いなら中段を起こして寝て良いんだぞ。」と隣のインド先輩が声をかけてくれたりした。他人の持っている新聞を無許可で読み始めたり「お前の物はお前の物。でも俺も使う。俺の物は俺の物。でもお前も使って良いよ。」という文化らしい。インド的で良い。
オヤツのクッキー。独特の妙なデザインの顔。表裏逆でくっついている確率高し。インドのくせにうまい。5ルピー。バター味のクッキーも食べたが美味しい。インドクッキー安定か。
アルジュナの苦行。どんな苦行なのか理解するほどじっくり見ていない。象のみに着目していた。
爺さん家の近く。この辺りで雑貨屋を営む婆さんは、1リットル16ルピーの水に対して20ルピーを渡した僕に、手をプルプルさせながら「1ルピーオマケだよ」と5ルピー硬貨でお釣りをくれた。釣銭が無かったらしい。懐かしい駄菓子屋の風情だ。
ファイブラタの方へ散歩に行った時に路上で製作販売中の爺さんから買った手作り革サンダル。値段を訊いたら1,500ルピーだとかましてきたので「高い!」と言って去ろうとしたら追いかけて来て交渉開始。300ルピーで購入。適正価格は200ルピー。もしかすると100ルピーを切るかもしれないが、僕にとっては300ルピーの価値有りと判断。カッコ良い。
ビーチで散歩。ベンガル湾の景色が良い。プリーと違ってウンコが落ちていないので海水浴可能だが、町の規模から下水道が無いと思われるので見た目より水が汚染されているかもしれない。
250ルピーのチケットを購入し海岸寺院へ。写真に写っているものが全てだと言っても過言ではない。寺院に施された彫刻は風雨で削られてのっぺりとしている。
岩を大雑把に削って漆喰で装飾していた痕跡か。
車内販売について。チャイをはじめ、コーヒー、サモサ等の揚げ物系オヤツ、弁当、水やジュースなど頻繁に売り子が行ったり来たりしているので、わざわざ食べ物を持ち込む必要もない。5ルピーのチャイをガバガバ飲みながら、腹が減ったらやってきた売り子から適当に買って頬張れば良い。
自分流インド列車の楽しみ方を一通り考案した頃に、列車はチェンナイ駅に到着。インドの鉄道ではあり得ないと思っていた定刻より早く着くという現実を目の当たりにして狼狽えた。しかも30分も早い。これはこれで問題ありだと思う。
目的地はマハーバリプラムだが鉄道が通っていないのでチェンナイからはバスになる。17時にチェンナイ駅に到着したが、これからマハーバリプラムへ行くと日が暮れるのでチェンナイに一泊することにした。
第一候補はチェンナイ駅のリタイアリングルーム(大きめの駅にある宿泊施設)。リタイアリングルームは値段の割に汚い所が多いらしいが、ここはエアコン付きドミトリーが210ルピーで清潔そうだった。でも満室。ガッカリだ。
安宿を探しに駅を出る。
チェンナイ駅前で発見。ガンジー爺さん。
重い荷物を背負って一時間かけて第二候補のサルベーション・アーミー(救世軍)の宿を探すも建物がぶっ壊されていた。見つからないわけだ。建て替えて二年後にオープンするらしいぞ(近所のおじさん談)。
疲れてクタクタだったので、第三候補のパレスロッジまでオートリキシャ(東南アジアでいうトゥクトゥク。車両はインドのTATA社のものだと思うから本家はこちらか。)でワープする。50ルピー。早くて楽。安楽は金で買え!
パレスロッジ、空室有り。シングル155ルピー。設備はお値段通りか。宿泊客が僕以外インド先輩のみという状況は初だったので、そういう意味では良かった。
【マハーバリプラム観光】
朝一で切符を買うお仕事。インドの鉄道では当日券が手に入り辛い事を学習した僕は、先手有利ということでマハーバリプラム後の目的地、インド最南端のカニャークマリ行きの切符を確保することにした。
始発駅のエグモア駅に行くも、予約窓口は日曜日のためか閉まっていた。なのでチェンナイ駅(正確にはチェンナイ・セントラル駅。こことエグモア駅は別路線で繋がっていない。)へバスで行く。
チェンナイは大きな街で、多くの路線バスが運行されているので便利だが、いかんせんどのバスがどこを通るのか分からない。バス停に行っても路線図など無いので適当に飛び乗ってインド先輩に訊いてみる。「このバスはチェンナイセントラルステーションに行くか?」「行く。問題無い。」安心して座席に座る私。運賃を集めに来た車掌さんに行き先を告げる。「このバスはチェンナイセントラルステーションには行かない。急いで降りろ。」キタコレ。第一インド人の言うことは疑えの法則。守らないとこうなる。
明後日の方向に走り始めたバスから飛び降り、正しいバスを探しながら歩いているうちに駅に着いた。やれやれ。
西側駅舎の二階の奥まった所にある外国人用窓口でブレイクタイム中(インドでは就業時間中にブレイクタイムという優雅なものが存在し、例え客が長蛇の列を形成していようが「じゃぁ!」とも言わず、おもむろにチャイを飲み始めたりどこかへ消えたりする。)の職員を20分待ち、戻って来た途端に停電になり5分待った後、手早くちゃっちゃと発券手続きを済ませていただけた。
宿がエグモア駅から近いので、エグモア駅行きのバスを探す。今度は複数のインド先輩に訊いた。最も正確な回答を頂けたのがバス停付近でキオスクを営む青年で、「17番のバスだ」と言った休憩中のバス運転手の回答を覆した。「17番のバスもエグモア行くけど遠回りになるよ。15Bが直行するからそれに乗ると良い。」インドでも中国同様に若くて頭の良さそうな人に訊くのが間違いなさそうだ。
約2kmの距離を3ルピー。安い。
宿に戻って支度。次はマハーバリプラム行きのバスが出ているターミナルへ。27Bのバスで終点。
バスターミナルはデカイ。そして不案内。案内板はインドの言語のみで書かれてあるので、何番のバス停から発車するのか分からん。でインド先輩達に質問する。「マハーバリプラム行きは何番だ?」「こっちじゃない。外のバス停だ。」と言って路線バスの停留所を指差す第一インド人。外に出て別の人に訊く。「マハーバリプラム行きはこっちか?」「こっちじゃない。中だ。」と言う第二インド人。中に戻った僕に「どうした?どこに行きたい?」と声をかけてくれた第三インド人に行き先を告げると「こっちへ来い」と案内板の所へ行ってインドの文字で書かれたものの中からマハーバリプラム行きを見つけてくれた。「2番口の6と7番からだ。」合っていた。ありがたい。記憶ではここには6番口まであって、それぞれ20以上の発着場が連なっているから自力で探し出すのは容易じゃない。
飲みたくない水飲み場
一時間待つとバスが到着。さらに30分でバスが発進した。
縦に鋭く揺れるバスに乗ること二時間。マハーバリプラムの中心部にあるバス停に到着。
下車後、声をかけてくる老人あり。通常ならスルーするところだが、何となくピンときたのでついて行くことにした。宿を決めていなかったし、一泊200ルピーで値段もまずまず、何よりこの爺さんなら大丈夫と思える何かがあった。
爺さんのスクーターに乗って町の南の外れへ。爺さんの家らしい。敷地内に宿泊施設を設けて客を募っているようだ。Hotel Five Rathasという名前。南インド寺院建築の原型と言われるこの町の観光スポット、ファイブラタからとったらしい。場所も近いし。
爺さんのホテルは閑静な住宅街にあり、超絶のんびりしていて今のところ問題無い。今回の旅行で初の蚊帳が標準装備なのも良い。蚊が襲って来ない。凄い!夜間、停電中と通電中の時間が同じくらいだが爺さんのせいではない。
荷物を放り込んで観光へ。
爺さん家の近所の外壁に設置してあった。何かよく分からんがカッコ良い。
小さなお堂で。
ヤギ多め。牛おらず。稀に猿。
灯台の上から。
散歩がてらファイブラタまで行ったが、入場券が海岸寺院とセットで250ルピー。くそ高い。時間も無いし明日行くことにした。見所は残す所これくらいなので多分行くと思う。
【マハーバリプラム観光2】
宿のお母ちゃん手作りの朝食で一日が始まった。カレーが注がれた皿に蒸しパンが五つドカドカのせてあるもの。60ルピー。まずい。チャイ屋の大カップ2杯分は軽く入っているチャイは20ルピー。チャイは僕を裏切らない。ウマし。
散歩がてらインターネット屋を探す。二軒中一軒にWiFi有り。一日料金で200ルピーもするのでiPhoneで繋ぐのは諦めた。WiFiの場合は店の外に出てから繋げる奴がいるので、一時間いくらというコースは無いらしい。
仕方なく一時間40ルピーのデスクトップPCを借りるも頻発する停電のため20分しか使えなかった。30ルピーに割引いてくれたが割に合わない。田舎だから仕方がないのか。
御本尊のリンガ
町の中心部に位置する寺院の塔門。結構立派。
朝から太鼓の音がしていると思っていたら葬式だそうだ。
宿の近所で今朝亡くなった方がいたようで、これはこの辺りのお通夜の様なものらしい。地元のおじいさんが言うには、明日の朝にあの世へ魂を送るとのこと。
「写真を撮って良いか?」と聞くと「おぉ、撮って良いよ。問題ない。」と言う。「太鼓に合わせて踊って良いよ。」とも言っていた。どうやら死者を賑やかに送り出す系の文化のようだ。白シャツに白い巻きスカートの爺さんが歌いながら音頭を取り、太鼓隊がそれに合わせる。手前にはテントを張り、プラスチック製の椅子が30脚ほど並べられ、近所の連中が雑談しながら太鼓の音色を聴いている。辺りには爆竹の残骸が散乱。
ここはファイブラタへ通じる道だが、片側を通行止めにして路上で執り行っていた。
カッコ良いオートリキシャ。ナマステ!
つづく
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その他の写真
リキシャメモ
日本から持ち込まれた人力車が庶民の交通手段として定着し「リキシャ」もしくは「リクシャ」と呼ばれるようになった。
後、自転車で引く人力車「サイクルリキシャ」、小型の三輪自動車タクシー「オートリキシャ」が誕生。
次回:インドその4
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