EVE宇宙をソロで闊歩するガイドとして企画された『バックパッカースタイルで行くEVE Online』は私が書いた旅行記を「原文ママ」で公開するものです。
価値観や文化の違い、詐欺師や海賊プレイヤーとのやり取りなど、私の旅行記を通して自己流のやり方を掴んでいただければ幸いです。Fly Safe o7
※ただの旅行記がEVE Onlineと何の関係があるかは
『バックパッカースタイルで行くEVE Online(はじめに』を読んでください。
旅行記で展開されるストーリーをEVEに当てはめてみれば、それ即ち「This is EVE」
毎週木曜日18時更新。全30話以内に納まる予定。
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【セルチュクで7泊するけどトルコはもうお腹いっぱいなのです】
乗り継ぎで一瞬だけ立ち寄ったイズミールはエーゲ海の真珠と呼ばれている。そこから南に下ったクシャダスもエーゲ海に面したリゾート。僕が滞在しているセルチュクはクシャダスから北東に向かって少々の場所。エフェス遺跡に最も近い町。
しかし何だ。毎日が無気力でニョ~ンてなってる。目と鼻の先にあるエフェス遺跡に行くにも何もしない一日を挟んで義務感で行った様な状況。
エフェスには宿から徒歩2分以内のオトガル(バスステーション)から乗り合いのバンが出ているが、時間だけは膨大にあるので散歩も兼ねて徒歩で。僅かに蝉が鳴いている。最近の最高気温は37~39度。もう暑い所へ行くのはよそうと考えていたがトルコがここまで暑いとは想定外だった。
どこかで見た景色の中をとぼとぼと45分歩いて遺跡入口に到着。入場料25リラ。
写真の様に修復がある程度進んでいる物もあるが、どこも概ねぶっ壊れている。
正面だけが残っていて張りぼてみたいになってる。
かつて栄えていたであろう緩やかに続く石の坂道とキッチリ破壊された建物の群。
エフェス遺跡の敷地は広く、一部発掘作業中や修復中で進入禁止の場所もあるのでかなりの規模になりそうだが、見学可能な場所をゆっくり歩いて見て回るのにおおよそ2時間くらいあれば十分だと思う。
上の写真以外の場所も一通り行ったがジロジロ舐めまわす様に見学するべきもの無し。地面に転がっている大量の瓦礫に僅かに残る彫刻もチェケしたが同様。
上品で洗練された西洋系の建築に魅力を感じないのはナゼか。建物だけでなく人や植物の彫刻も無機質全開なのが原因か。石だからというだけでは不十分な何かが有機的な循環を拒否している感があり、僕はそれが気に食わない。
もしかしたらここが人の住む場所だった時はそうじゃなかったかもしれない。繰り返される人の営みが石の建造物に血を巡らし、それが人の営みをより鮮やかなものにしたかもしれない。どうだかな。僕がそれを推測するには遺跡が破壊されすぎているし、それを埋め合わせる知識も足りていない。
現時点で僕にとってこのエフェス遺跡は、引出しの奥から偶然見つけた虚しく砕かれた蝉の抜け殻みたいに寂しい場所。アンコールワットに行った時にも書いた気がするが、遺跡の「遥か昔しに捨てられた物が痛ましく朽ち果てて今だにそこにある虚しさ」が苦痛でならない。それをロマンで誤魔化すしかないのだ。無残である。
翌日は一日ゴロゴロしようかと思ったが、前日の遺跡から引きずってきた残留物に脅迫される様にクシャダスへエーゲ海を拝みに行った。
クシャダスへは乗り合いバンで5リラ。街は大きい。完全にビーチリゾート。
エーゲ海は(というかクシャダスしか知らないが)波打ち際の浅い所は涼しく抜ける様なエメラルド色で遠くは深く澄んだ青。綺麗だ。エーゲ海だけの事はある。
城壁の様な物が残る小さな島からクシャダスの街を。
僕はブランドにありがたみを感じない。目前に広がる海がエーゲ海である事に感動は無く、僕にとってのエーゲ海は単なる綺麗な海であり、むしろこんな所を何するでもなくふらついている事に若干の後ろめたさを感じるのみで何とも言えない気分であった。
エーゲ海よりもこの魚ちゃんとか。
エフェス遺跡にあった看板のマークで、巻き付いた側の蛇が手当てしているのか噛み付いているのか謎な所も僕の気分を少しだけ晴らしてくれた。他国でも救急車がこのマークを付けて走っているのを見た記憶があるから、この蛇は傷を癒しているのかしら。それとも血清ありますマーク?
【セルチュクで7泊するけどトルコはもうお腹いっぱいなのです2】
今イズミールの空港で待機中。ベルリン行きは明朝8:00発だが、セルチュクからだとバスも電車も始発で出ても間に合わないので前日から空港入りしたという訳だ。地方の空港にしては大きいのでベンチで一泊するのも問題なさそう。
トルコ最後に残りのセルチュク滞在について書いておこう。
セルチュクを散歩中に見晴らしの良い所でくるりと辺りを眺めると城があった。宿から10分で行けそうな距離にあるのに今まで全く気が付かなかった。
面白そうなので行って来た。入場料は8リラだったか。
かなり期待していたのに城は立入禁止。見学できるのはボコボコにぶち壊されたこのエリアのみ。入る時は「8リラ安っ!」だったのに直ちに「金返せコノヤロー!」になった。
破壊前は立派な城だったのだろう。水道橋が向こうの山へ伸びている。
日を改めて次はエーゲ海の真珠と呼ばれるイズミールへ行ったが、時間と交通費の無駄だった。この時計塔しか撮ってないくらいしょぼい。海はクシャダスの方がまだ見応えがある。似たような街並みにも、どこに行っても同じ物しか売ってないバザールにも飽き飽きである。
靴磨きのおじさんだけがカッコ良かった。
セルチュクにて。今朝はやけに騒がしいと思ったら土曜市らしい。普段はガラガラの小さいセルチュクの町が隙間無く店で埋まっている。まとめ買いする買い物客も多く、車輪付きの買い物カゴを一杯にしながら巨大な市場と化した町をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
野菜屋とか果物屋とか服屋とかジャンルごとに大雑把に区分けされている。中にはトマトだけとかサクランボだけを大量に並べている店もあったりして、桃だらけの店には酸味と甘味が完璧なバランスの完熟桃の香りが充満しているので非常に良い深呼吸スポットになっている。
そして安い。産直だからか。これだけ買っても2リラ(約90円)だった。
【セルチュクで7泊するけどトルコはもうお腹いっぱいなのです3】
土曜市で売っていたトルコおっさん人形。可愛いような可愛くないような。
良い感じのキモさ。
セルチュクで毎日食べていたサラミ・エッグ・チーズサンド。3リラ。トルコではこの手のサンドイッチ物は店によって当たり外れが大きい気がする。ハズレの店はケバブがパッサパサだったり、具が少なくてほぼパンだったり。写真のこれはうまい。
土曜市でなくとも何軒かの八百屋が毎日露店を出している。そこでサクランボや桃やリンゴなどを1キロ単位で購入し、部屋にこもってモグモグするのが主な楽しみだった。
これまで訪れた国もそうだが、かなりの頻度で商店やらバスの運転席まわりやら民家にも国旗を見る。当然、国の施設であれば掲揚された立派な国旗がはためいている。
日本ほど国旗を見ない国は無いんじゃないか。国歌斉唱を拒否ったり国旗掲揚で起立しなかったりする気違い公務員が存在する国も無いように思う。
感電注意のマークを「電骨」と呼ぶことにした。ドクロに電気のデザインはよくあるけどディテールがそれぞれ違うので面白い。
今暇なので今日何したか記しておこう。
10時過ぎに起床。宿の屋上で朝食(宿代に含む)を一時間以上かけて食べる。
食後、レセプションへ行って夜まで宿泊を延長する交渉。割引ならずだが一泊25リラだと思っていたのに20リラだった。部屋はドミトリーということだったがシングルベッドが二つの部屋をほぼ一人で使っていたので得した気分。宿泊代を確認せずに六泊した僕も僕だが、宿側も僕が何日泊まったか把握しておらず「えーと何日泊まったんだっけ?」と支払いの際に尋ねられた。この緩さはセルチュクの気候がそうさせるに違いない。
部屋で昼過ぎまでゴロゴロ。土曜市見学に行く。ついでにいつものサンドイッチ屋で昼食。部屋に戻ってインターネット。
18時になっている事に気がついてシャワーと荷造りを慌てて済ませ、iPhoneが満充電にはるか届かないままチェックアウト。
駅から電車で空港へ。空港で残りのトルコリラを何に使おうかと考えつつ、これを書きながら今。不毛な一日だ。ギョレメを出てからずっとこんな調子。非常に良くない。「きっと面白くない街が続いているからだ。ベルリンに行けば良くなるはず。」と今は考えている。
つづく
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その他の写真
奢られるメモ
イスラム教国を旅行していると奢られることがある。レストランで食事をして代金を支払おうとすると「お前が食べた分は既に支払われた」と言われるのである。
イスラームの教えでは「困っている旅人に手を差し伸べる」を推奨しており、「観光客の食事代を勝手に支払う」もこの範疇にあるようで、「お前の分は俺が支払っておいたから」とも言わず立ち去るため誰に奢られたか不明であることが多い。(トルコでは「俺の奢りだから」と前置きがあることが多かったかも?)
イスラム教の戒律が厳しい国ほど奢られる確率が高い。
緩めのイスラム教徒が多いトルコでは女性の方が奢られ率が高い傾向があり、日本人女性かつ美人が最高待遇になる条件の様だった。
ある日本人美女の旅行者は「トルコのレストランで支払った記憶があまりない」だけでなく「ホテルの宿泊費が自動的にディスカウントされる」こともしばしばで、「行く先々でされると逆に気後れするよね?」と同意を求められたが「そんな経験をする人は稀だ」と言っておいた。
トルコにおいて、田舎ほど旅行者を歓迎する意識が強く、逆にイスタンブールの様な観光都市では詐欺の可能性が高い。特に日本人は騙しやすいらしいので注意。
次回:ドイツ
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